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(1)胆振東部地震 生活再建へ一歩、支援の充実を

2018/12/20配信

 9月6日未明に発生し、北海道で初めての震度7を観測した胆振東部地震は全道で41人の尊い命を奪った。甚大な土砂災害に見舞われた厚真町で36人、苫小牧市では2人、むかわ町、新ひだか町、札幌市で各1人が犠牲となり、遺族の悲しみは今も消えない。

 被害の大きかった震源域の厚真、むかわ、安平の3町では、土砂や地割れで道路が寸断し、長期間にわたり停電や断水も続いた。計約1100戸の住宅が全壊、半壊となり、一部損壊は約6200戸にも上った。避難所に身を寄せた住民は地震発生翌日の9月7日の段階で最大2300人を超え、余震におびえながら慣れない集団生活を過ごした。

 道路、河川、農業、産業など3町の被害額は、現段階で少なくとも800億円と推計される。政府は胆振東部地震を激甚災害に指定し、被災自治体が行う道路や農地の復旧事業に対する国庫補助率を1~2割程度引き上げ、中小企業への支援にも乗り出す。

 仮設住宅は11月末までに3町計223戸整備され、約400人が暮らし始めた。これに伴い避難所も縮小され、今月6日で厚真町の最後の避難所が閉鎖。3町の住民は生活再建に向けて一歩ずつ歩み出している。

 ■北海道を闇に包む

 地震は思わぬ事態も引き起こした。国内で初めてとされる大規模停電(ブラックアウト)の発生だ。道内の約295万戸が光を失い、生活インフラをはじめ、行政機関や医療機関、交通、物流、企業の活動がまひした。住民は、スーパーやコンビニで食料品や飲料水、電池など商品の買いだめに走り陳列棚が空っぽに。自家発電機を持つ苫小牧市役所には、携帯電話の充電を求める人々が殺到するなど異常な光景が広がった。

 経済活動も相当なダメージを受けた。製造業などが立地する苫小牧東部地域では、多くの工場が生産の一時停止を余儀なくされた。製油所もガソリンなど石油製品の供給をストップ。不安に駆られたドライバーは地震の発生からしばらくの間、ガソリンスタンドに給油の列をつくった。給油の殺到で売り切れた全道の多くのスタンドは数日間にわたり、営業を休止せざるを得なくなる事態にも陥った。

 ブラックアウトは、北海道電力苫東厚真火力発電所(厚真町)の緊急停止が要因だった。道内8火力発電所の最大出力全体の4割を占める火力発電所が機能不全に陥った結果、道内全域で電力の需給バランスが崩れ、連鎖して他の発電所もストップした。非常時の電力供給の在り方に大きな課題を残した。

 ■復興へ動く被災3町

 地震発生から3カ月が過ぎ、胆振東部3町では復旧、復興へ向けた動きが徐々に進む。自宅が被災したものの、農地や牛舎を離れられない農家のためにトレーラーハウスを整備したり、被害に遭った特別養護老人ホームなどの入所者専用の福祉仮設住宅を建設したりと、道もサポートに力を入れている。復興への道のりは長く、今後もさまざまな課題に直面することが予想される中、3町が策定する復興ビジョンに沿いながら被災者に寄り添った柔軟な支援の充実が求められる。

(伊藤真史)



 2018年も残すところ、あとわずか。今年起きた主な出来事を振り返る。

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