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インカレ、氷都決戦に幕 アイスホッケーは明大が30回目V

2017/1/10配信


 白鳥王子アイスアリーナで行われた明大―中大のアイスホッケー(IH)競技決勝では、互いの意地と意地がぶつかり合う壮絶な戦いとなり、明大が6―5で競り勝ち、2年ぶり30回目の優勝。スピードスケートの総合は男子が専大、女子は高崎健康福祉大がそれぞれ制した。

 フィギュアスケートを加えた3競技の合計ポイントを競う男子学校対抗では明大が総合優勝を飾り、2位に関大、3位に東洋大が続いた。スピード、フィギュアの2競技で争う女子は中京大と高崎健康福祉大が総合のタイトルを分け合った。

 IH決勝終了後に同アリーナで行われた閉会式で、開催市を代表した岩倉博文苫小牧市長は「このインカレの経験を次の目標に生かしてほしい。冬の競技を通じてスポーツの力を発信できるよう切磋琢磨(せっさたくま)して」とあいさつ。4日に開幕し、6日間にわたる熱戦の幕を閉じた。

アイスホッケー

 アイスホッケー競技最終日は9日午後、苫小牧白鳥王子アイスアリーナで決勝を行った。激しい点の取り合いになった末、明大が6―5で粘る中大をかわし、2年ぶり30回目の日本一に輝いた。大会最優秀選手(MVP)には明大のFW桂川涼が輝いた。

 同競技には北は北海道、南は九州まで全国各地の30校が出場。5~9日の5日間にわたるトーナメントを繰り広げた。決勝のスタンドには1400人を超える観客が詰め掛け、両チームの熱いプレーに声援を送った。

 ▽決勝
明  大 6 2―1 5 中  大
       1―1
       3―3
 ▽得点者【明】池田(桂川、大場)府中(松金、京谷)桂川(府中、京谷)高橋(川村、工藤)桂川(府中)府中(松本)【中】坂本(乾)笹渕(鈴木、桶屋)桶屋(植森、笹渕)齊藤(坂本)鈴木(岩沢、笹渕)▽GK【明】磯部【中】金子▽シュート数【明】49本【中】28本▽反則【明】16分【中】14分▽パワープレー得点【明】2【中】2▽キルプレー得点【明】0【中】0▽観客1455人

 明大が激しい点の取り合いを制した。2―2の第2ピリオド14分、ゴール裏の府中からパスを受けた桂川が決めて勝ち越し、第3ピリオド4分のパワープレーでは高橋が右サイドから強烈なミドルシュートを突き刺して追加点。その後、同点とされ迎えた17分、桂川が中盤から中央突破して3度勝ち越すと、19分には府中が無人のゴールにパックを流し込み、勝負を決定付けた。

 一方、中大は2点を追う第3ピリオド7分に桶屋がゴール前で合わせ、7分には坂本が運んだパックを最後は齊藤が押し込んで追い付いた。2点を勝ち越され、後がなくなった試合終了残り3秒前には鈴木が決めるなど最後まで意地を見せた。

 【個人賞】▽最優秀選手 桂川涼(明大)▽ベストGK 磯部裕次郎(明大)▽同DF 蓑島圭悟(中大)松金健太(明大)▽同FW 池田涼希、桂川涼、高橋瞬(以上明大)▽得点王 池田涼希(明大)▽アシスト王 府中祐也(明大)

桂川(明大)先輩へ恩返し弾 打倒中大果たす

 第3ピリオド残り10分を切って、スコアは4―4。明大は2点リードを追いつかれ、さらにペナルティーボックスでは、12分の反則を課せられたFW川村主将(4年)が「2点を追い付かれたのは僕の責任」と気を落としていた。

 「一希さん、顔を上げてください。自分が決めてくるんで」―。歩み寄ってきたのは、後輩のFW桂川(3年)。第3ピリオド残り2分、このタイミングとばかりに中大のDF2人の間でパックを受けると、そこからぐんぐん加速。敵陣に入って一気に前に出ると、最後はGKの左足の上を狙い澄ましたようにシュートを放ち、ネットを揺らした。有言実行―。全身で喜びを体現し、真っ先に川村主将の方へ向かっていった。「僕に恩返しをするって言っていたけど、本当に感謝するのは僕の方。頼もしい後輩です」と感極まった表情で話した。

 昨年の前回大会、アジアリーグ入りした2人のエースを擁しながら準決勝で日体大にまさかのGWS負け。今季は関東選手権、関東リーグとあと一歩のところで中大にかわされ、目の前で悔しい思いをしてきた。きっちり守られ、ミスや体力が消耗してきたところを突かれた過去の反省を踏まえ、クリスマス返上で敢行した合宿では60分間走り切る体力を付けるため、氷の上で徹底的に滑り込んだ。

 間中監督は「もともとスピードとテクニックなら負けないし、最後まで走り切れれば、同点に追い付かれても攻め切ることができる。今回は同点に追い付かれても落ち着いていた」と評価。勝負どころと踏んだ準々決勝以降の3試合、いずれも第3ピリオドで3点を挙げているのは、その成果だ。

 宿敵の3冠を阻止し、日本一の称号を手にした。川村主将は「最後に勝てたのは『打倒中央』という意識でやってきたから。中央という素晴らしいチームに感謝している」と敬意を示し、「昨年の4年生の思い、応援してくれる人の思いに応えられてうれしい。チームのみんなに感謝の思いしかない」と喜びに浸った。

明大、苫小牧関係選手も活躍 FW工藤、DF相木

 優勝した明大の一員として、苫小牧関係選手もそれぞれの役割を果たした。

 苫小牧明倫中、北海道栄高出身で副主将のFW工藤(4年)は大学随一のシュート力を武器にパワープレーで積極的に起用され、決勝では4点目をアシスト。「中央の3冠阻止と(自身の)引退試合とあって、『勝ってやろう』と気合が入っていた。チームの雰囲気も良かったし、最後まで走り切れた」と完全燃焼した。卒業後は道内に就職し、働きながら社会人チームでプレーする。地元で歓喜のフィナーレを迎え、「明治を選んでよかった」と誇らしげに語った。

 駒大苫小牧高出身のDF相木(4年)は堅実なプレーと、声出しや時に派手なパフォーマンスを見せるなど、盛り上げ役としてチームに貢献した。「僕はそれしかできない。みんなの背中を押して、チームをプラスに盛り上げていくことを自分の色として出したかった」と言い、「こんなに本気でホッケーをすることは、おそらくもうないと思う。今までの苦労が吹き飛んだ。感無量です」と飛び切りの笑顔で応えた。

死力尽くすも栄冠届かず 中大・坂本「来季は3冠を」

 中大の2年連続3冠達成は惜しくもかなわなかった。土壇場の粘りなど持てる力を振り絞って最後まで食い下がったが、わずかに届かず、DF加藤主将(4年)=北海高出身=は「明治はインカレに強いというイメージがある。最後は勢いにやられましたね」と悔しさをのぞかせた。

 重圧と高まる期待の中で迎えた今大会。けが人が続出する中、第2セットのセンターを務めるFW小泉(3年)=駒大苫小牧高出身=も準決勝で負傷退場し、決勝を欠場。大会を勝ち上がる中でチームが負ったダメージはあまりにも大きかったが、「それを言い訳にはしたくない」(加藤主将)。

 右足の骨折を押して、準決勝に続いて出場したFW坂本(同)=同=は先制点を含め、一時同点となるゴールも演出。パワープレー、決死の6人攻撃にも参加し、最後の最後までリンクの上で仲間を鼓舞した。「見に来てくれた皆さん、4年生の思いを背負ってプレーしたので、勝ちたかったのですが。運もなかった」と残念がった。

 雪辱を胸に、再出発を誓う。坂本は「来季は3冠を取ることしか考えていない。全タイトル制覇を狙っていく」と力強く言い、会場を後にした。
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