中学３年の女子生徒を買春したとして、本別署（十勝管内本別町）は２５日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで、苫小牧市北栄町２、市議会議員矢農誠容疑者（３７）を逮捕、２６日午前に釧路地検帯広支部に送検した。矢農容疑者は「援助交際をしたことは間違いないが、１８歳未満とは知らなかった」などと容疑を一部否認しているという。苫小牧市議会事務局は「現職市議の逮捕は過去に記録はない」と言う。

　逮捕容疑は、２０１５年１２月２６日、札幌市豊平区のホテルで、インターネットのツイッターを通じて知り合った当時中学３年生の女子生徒（１５）＝札幌市南区＝に対し、現金を渡す約束をして、いかがわしい行為をした疑い。

　同署によると、今年春ごろ、サイバーパトロールで別の買春事件を捜査していた際、インターネット上に援助交際を求める書き込みを見つけ、女子生徒を特定して事情を聴いたところ、矢農容疑者が浮上した。女子生徒は「５０００円を受け取った」と話しているという。

　調べに矢農容疑者は「援助交際はしたが、この子かは分からない」とも供述しており、同署は余罪がないか詳しく調べる方針。

　矢農容疑者は、会社員や衆院議員の秘書を経て、２００７年に苫小牧市議選史上最年少（２７歳）で初当選。３期目で、市議会の総務委員会委員長や厚生委員会委員長などを歴任。現在、市議会会派改革フォーラムの代表で、議会運営委員会理事、安全・安心及び市民ホール建設に関する特別委員会委員なども務めている。

　矢農容疑者の逮捕を受け、市議会の池田謙次議長は「市議会の信頼を損ねたことを重く受け止め、全力で信頼回復に努めたい」とし、岩倉博文市長は「大変驚いている。事実であれば誠に遺憾だが、まずは情報収集に努め、事実関係を確認したい」とのコメントを出した。