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高教組の苫西高教員が校門前で生徒に安保法反対署名求める

2016/5/7配信

 苫小牧西高校の校門前で4月下旬、道高校教職員組合(高教組)の苫小牧西高校分会に所属する同校勤務の教員が、生徒たちに対し安全保障法反対のビラ配布と署名活動を行い、これを問題視した学校側がビラを回収、署名活動も中止させたことが分かった。学校側は「極めて政治色の強いもので、配慮に欠けた不適切な行為」と判断し、保護者にも文書で今回のいきさつを説明し謝罪。一方、同分会は「正当な組合活動の範囲」と反論している。

 同分会が配布したビラは、『安全保障法=戦争法に反対する署名にご協力ください!』と見出しを付け、『安保法は戦争に巻き込まれる恐れの強い法律。廃止するため、今日放課後に校門前で戦争法に反対する署名活動をしますので、ぜひ協力してください』などと記している。

 同分会所属の複数の教員が4月26日午前8時ごろから校門前に立ち、登校の生徒にビラを配布。約30分間に約200人に手渡した。さらに同日午後3時15分ごろ、同じ校門前で、下校の生徒から署名を集める活動を始めた。

 教員は休暇を取得してビラ配布や署名活動に当たっていたが、ビラの内容を知った丸山由之校長が「極めて政治色が強く、生徒や保護者、地域住民に誤解を与えかねない不適切な行為」と判断、各クラスの担任教員に生徒からビラを回収するよう指示。校門前で既に始まっていた署名活動の中止を求めたという。

 学校側は27日朝にもビラを回収。28日朝には、丸山校長が生徒に対し、全校放送で署名活動の中止やビラ回収に関する経緯を説明。保護者に対しても同日、説明と謝罪の意を記した文書を出した。

 丸山校長は教職員の組合活動に理解を示しながらも、「学校敷地外とはいえ、活動場所が校門のすぐ前であったことや、政治に関する一方からの見方だけを生徒に示したことから、学校の政治的中立性が保たれていないと生徒や地域住民から誤解を受ける恐れがあり、不適切な行為と判断した」と説明する。

 道教委高校教育課も「生徒にとって自分の学校の教員が行うことは、敷地外、職務時間外だからといったことは関係ない。教員の言動は生徒の人格形成に大きな影響を与える。特定の意見のみを伝えていたのであれば、誤解を招きかねないので、校長の対処は妥当」と話す。

 一方、同分会は「正当な組合活動の範囲内で計画したこと」と主張。同分会は、全国の高教組が一斉に進めている安保法反対署名運動の一環として今回の活動を計画。「生徒が自分の将来を決められるよう、安保法についてしっかりと考えてもらうきっかけになれば」との思いも込め、ビラを作成したという。学校側の要請でビラ回収や署名活動中止に応じたことに関しては「不本意ではあるが、組合活動によって立場上、困る人が出てしまうのも本意ではないので受け入れた」と話す。

 道高校教職員組合連合会は「学習塾や予備校などの営業活動も校門前で生徒に対して行われているのに、今回の件のみ問題になるのはおかしい」と学校の対応を疑問視する。

 生徒の反応はさまざまだ。「ビラ配布は何も問題がないのでは」と話す生徒がいる一方、「先生に言われたら、よく分からないまま署名をしてしまう生徒もいるかもしれないので、少し疑問に感じた」「先生という立場だったら、いろんな意見を出した上で私たちに考えさせるようなことをしてほしい」との声も。

 学校教育に詳しい、北海道教育大学大学院の玉井康之教授(高度教職実践専攻)は「教員が一方に偏った考えを示すことは、場合によっては生徒が教員に不信感を抱く恐れもある。誤解を受けない方法や問題提起の仕方などを工夫した組合活動も必要なのでは」と話している。

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