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大正から昭和にかけての端午の節句の飾り物 本間さん夫妻、市美術博物館に寄贈

2016/4/20配信

 苫小牧市しらかば町の本間弘章さん(84)と妻の延子さん(76)は、これまで自宅で大事に保管してきた大正から昭和にかけての端午の節句の人形一式を今月末ごろに、市美術博物館(末広町)に寄贈する。金太郎人形やよろいかぶとのほか、勇猛さで知られる武将加藤清正、無病を願う鍾馗(しょうき)の人形と掛け軸、室内用こいのぼりなど。どれも現代では珍しく、同館は5月5日のこどもの日に合わせて館内で公開する予定だ。

 同館に寄贈する品々は弘章さんの兄の英男さんが生まれた1921年以降に本間さんの両親が購入したもの、弘章さんが生まれた31年に購入したもの、弘章さん夫婦が61年に生まれた息子のために購入したものから成る。

 本間家はこれまで毎年五月人形の段飾りをしてきたが、夫妻共に高齢となり、これからも貴重な人形をきちんと守っていけるようにと同館への寄贈を決めた。

 このうち英男さんの時代のものは、金太郎人形、加藤清正や鍾馗の人形とそれぞれののぼり、勇敢な女帝として知られる神功(じんぐう)皇后と忠臣の武内宿禰(たけのうちのすくね)の人形、室内用こいのぼりなど「端午の節句オールスター」がそろう。

 弘章さんの時代のものは、旭日旗を掲げて軍帽をかぶった金太郎人形と軍馬。

 同館の武田正哉学芸員は「古い時代の節句人形が一式でそろっているのは珍しく、端午の節句飾りが体系的に分かるとても貴重な資料。戦争の時代を反映し、旭日旗を掲げた金太郎などは見たことがない」と話した。

 こいのぼりについて、延子さんは、弘章さんの母親のツギさんが生前「1921年のこいのぼり大火後、外にこいのぼりを揚げられなくなったので、これを買って室内で飾ったという話を聞いた」と回顧。当時は今の幸町に住んでおり、風の方向から自宅の焼失は免れたが、以後はこのこいのぼりを含めて室内で一式、段飾りをしてきたと言う。

 弘章さんは「母は毎年一つずつ購入し、増やしていった。残してくれたことに感謝しているし、寄贈することでこれからも継続的に皆さんに見てもらえればうれしい」と語った。

 一式は、すでに同館に搬入しており今月末ごろに正式に寄贈される。

 同館はこどもの日に合わせて、今回寄贈された段飾り一式を館内で公開する予定。
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