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苫小牧でCCS実証試験始まる 二酸化炭素含有ガス受け入れ

2016/4/4配信

 日本CCS調査(東京、石井正一社長)は、地球温暖化対策として、苫小牧沖の海底下に二酸化炭素(CO2)を封じ込めるCCS(二酸化炭素の回収・地下貯留技術)の国内初の実証試験をスタートした。4日、出光興産北海道製油所(苫小牧市真砂町)からCO2を含む排ガスの受け入れを開始。CO2の分離回収や海底下に圧入する設備の運転準備を進め、6日から圧入作業を始める予定だ。2020年度までを期間とした、温暖化を防ぐための壮大な実験が苫小牧を舞台に展開される。

 CCSは、製油所や発電所などから出る排ガスに含まれる温室効果ガスCO2を大気に放出する前に回収し、地中深くに封じ込める技術。国は20年ごろの実用化を目指している。実証試験は、油ガス開発や石油元売り、電力会社など35社でつくる日本CCS調査が国の委託で行う。

 試験は、同社が同製油所敷地内に整備し、昨年10月に完成させたプラントを使用。4日は、CO2を分離・回収するための排ガスを同製油所から専用パイプラインでプラントに受け入れる作業を開始した。6日には、分離・回収したCO2を海底の地層へ延びるパイプを通じて圧入、貯留する作業に乗り出す予定で、各施設の稼働確認や圧入の準備に入っている。

 実証試験では、18年度までの3年間、苫小牧沖合の海底下の萌別層(深度1100~1200メートル)と滝ノ上層(同2400~3000メートル)の地層2カ所にCO2を年間10万トン以上封じ込める。その後、2年間にわたり、CO2を貯留した地層の変化などを調べるモニタリング(監視)を行い、技術の実用化を目指す。

 圧入に当たっては、3本の観測用の井戸と海底受振ケーブル(OBC)、海底地震計(OBS)、高感度陸上地震計などを使い、地層やCO2の変化を常時監視。周辺環境の安全やリスク回避の体制も構築する。
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