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緊迫の交信記録 「さんふらわあ だいせつ」火災当時の様子

2015/12/26配信

 苫小牧沖で7月31日に起きた商船三井フェリー(東京)の「さんふらわあ だいせつ」の火災で、第1管区海上保安本部(小樽)は25日、発生当時、同本部運用司令センター担当官と、同船の坂上幹郎船長や乗員が無線でやりとりした音声を公開した。火災発生から約3時間半後、他の乗員や乗客が退船した船内にとどまり、行方不明になっていた2等航海士の安否を気遣い続けた坂上船長の当時の様子が明らかになった。

 公開されたのは、7月31日午後5時38分ごろ、乗員から海保に入った第1報と、同8時45分ごろからの数分間、坂上船長へ担当官が退避を促すやりとりを収めた約6分間の交信記録。第1報では乗員の「北海道保安、こちら、さんふらわあだいせつ」の声に続き、「現在、当船緊急事態発生。車両甲板で火災が発生しております。今、消火活動に当たっております」と緊迫した火災発生時の様子が伝えられた。

 坂上船長と担当官の交信では、担当官が、後に死亡が確認された2等航海士織田邦彦さん(当時44)の安否確認に加え、「船長は降船する際にライフラフト(救命艇)に乗って船から下りることは可能か」「酷なようなことを聞くのですが、船長はその船(だいせつ)にどのぐらいまで待機を続けるでしょうか」などと問い掛けた。それに対し、坂上船長は「2等航海士が確認できるまでとどまっています」と回答。「船長さんに先に退避していただいて、救難隊が向かうという形をお勧めしたいのだが」と担当官の要請に対しても、坂上船長は「こちらも、2等航海士の存在が気になるものですから」と最後まで織田さんを気遣い、退船をためらっていた。

 そうした無線のやりとりが続き、担当官の「お気持ちは分かるが、海保としては、まず船長さんに助かってもらうことが第一優先だ」との求めに、苦渋の様子でようやく「了解」と応じた。
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