安平町の防災情報通信ネットワークに関する物品購入事業の指名競争入札で受注業者側に便宜を図るなどの収賄容疑で、道警本部捜査２課、苫小牧署などは２５日、同町総務課課長補佐の坪田真一容疑者（４６）＝安平町追分白樺２＝を逮捕した。これに係る贈賄容疑で同日、札幌白石署は住所不定、ＩＴ・防災コンサルティング会社「北海道ビーアイコンサルタント」（札幌市白石区）社長の髙田孝行容疑者（４４）を逮捕した。道警などは贈収賄事件として、余罪がないか捜査を進めている。

　両容疑者の逮捕容疑は、同町が災害時の情報伝達を目的に２０１３年１０月に行った防災行政情報告知ネットワークの関連備品購入に関する指名競争入札で、髙田容疑者の経営する北海道ビーアイ社が営業活動の委託を受けていた東京の情報通信会社が落札できるよう坪田容疑者が便宜を図り、その見返りとして現金２００万円を受け取った疑い。

　道警によると、入札には３社が参加。髙田容疑者に委託した業者が、予定価格の約９５％の約３２５０万円で落札したという。

　坪田容疑者は、民間の情報通信会社から００年に、旧早来町と合併前の旧追分町に中途で入庁。１１年１月から安平町の総務課の情報グループ主幹として、町の情報ネットワークに関する物品購入や入札に係る設計金額の算出、指名競争入札の参加業者選考の素案作成で助言をするなどしていた。

　３月１日開局予定の地域情報コミュニティー放送「あびらチャンネル」の開局準備、運営にも携わっていた。

　一方で、自身の妻が出資し、取締役を務めている会社に１１年度から、町の情報関連システムと機器類の保守委託に関し、１社限定の随意契約を締結。信用失墜行為の禁止に抵触するなどを理由に、昨年９月には町から懲戒処分を受けていた。