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復旧のめど立たずバス代行 不通のJR日高線鵡川―様似間

2015/1/14配信

 JR北海道は13日、低気圧に伴う高波の影響で線路脇の土砂が流出し、7日正午から運休の日高線の鵡川―様似間116キロの運転再開のめどが立たず、当面、バス代行によって沿線住民の足を確保する考えを明らかにした。護岸の被災状況から本格的な復旧工事が必要と判断したためで今後、専門機関による調査、工法の検討だけで1カ月を要するとみており、その結果を待たなければ運転再開も見通せない状況だ。

 西野史尚副社長、伊勢勝巳鉄道事業本部副本部長が記者会見して明らかにした。

 説明によると、日高線は7日の低気圧の影響で線路災害の発生が心配され、同日正午に全線運転を中止した。その後、運転再開に向けて線路巡回をしたところ、8日朝に厚賀(日高町)―大狩部(新冠町)間で線路脇の土砂が流出していることが判明した。

 流出した区間は延長13メートルで、流出量は約100立方メートル。護岸のコンクリートが損壊し、護岸根固めの鋼矢板もめくれ上がった状況となっていた。現場は2006年度にも同様に路盤が浸食され、延長39メートルにわたって対策工事を行っていた。今回、現場から800メートル離れた厚賀寄りの線路脇でも11日に約4メートルの小規模な土砂流出が見つかった。

 日高線は1926年に開通し、その5年後の36年に護岸工事が完了した。全体的に施設の老朽化が著しく、2004~14年度だけでも267件の災害が発生している。その中でも厚賀―大狩部間は108件と多く、土砂の流出入や路盤浸食、護岸変形のたびに修繕を重ねてきた。西野副社長は「ばんそうこうのような対処ではなく、構造的な改善が必要」と述べ、鉄道総合技術研究所に13日付で今後の対策工事の検討を依頼したことを説明した。同研究所は今回の被災現場のほか、厚賀―大狩部間の健全性も点検、同様の災害に見舞われる恐れのある場所がないかをチェックする。

 この現地調査と工法の検討が出るまでに約1カ月間かかるとみており、運転再開は長期化する見通しだ。

 JRは10日からバス代行による輸送を始めており、当面継続する。現在、朝夕を中心に平日が1日上下3~4本、土・日・祝日が1日上下2本の運行限られているが、バスの確保を急いでおり、20日以降の運行ダイヤは改めて発表する予定だ。
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