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親子でつかんだG1初制覇 ホッコータルマエの勇姿に喜ぶ矢部さん

2014/12/9配信

 愛知県の中京競馬場で7日に行われたJRA(日本中央競馬会)のG1「第15回チャンピオンズカップ」で、苫小牧市の北海土建工業の矢部道晃社長が所有するホッコータルマエ(牡5歳)が、優勝した。JRAのG1初制覇。昨年秋に亡くなった父、幸一さんが愛情込めてその成長を見守ってきた馬で、道晃さんは「悲願でした」とその喜びを語る。

 樽前山が名前の由来であるタルマエ。JRA賞最優秀牡馬にも選ばれたキングカメハメハを父に持つが、「当初は特別に期待されていたわけではないんです」と道晃さん。1歳の頃から、元騎手の西浦勝一調教師が育成に携わり、その素質を磨いてきた。

 デビューの新馬戦では11着、2戦目で勝利を収めたものの、当初は今ほど成績も安定していなかった。2012年4月からは幸英明騎手が騎乗。相性の良さもあり、各地の重賞レースでめきめき頭角を現した。競走馬として脂の乗る4歳を迎えた昨年11月に、幸一さんは死去した。地方競馬G1レース3冠を獲得した矢先のことだった。

 その後に出走したジャパンカップ(JRA、G1)では1番人気でありながら3着で終わり、今レースが中央G1へのリベンジ戦だった。「父の死後、幸騎手が一番プレッシャーを感じていたように思う。見ていてつらかったです」とこの一年を振り返り「一方で、幸騎手との信頼が一層深まりました」と話す。

 全国の苫小牧出身者から「タルマエ、頑張ってるね」と励ましの声をもらう。今レースのパドックでは「樽前」と書かれた応援旗を持つファンの姿もあった。「ダート馬は息が長い。これからは苫小牧をPRする意味でも、ますます活躍してもらいたいです」と期待を込めている。
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