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「生活再建へ役立てて」安平町に新品家具寄贈 56年の歴史に幕、苫小牧の小亀家具店

2019/8/31配信

 現在の苫小牧市音羽町で創業し、今月20日で56年の歴史に幕を閉じた小亀家具店が30日、在庫となっていた高級家具を胆振東部地震で被災した安平町に寄贈した。店主の小亀勲さん(79)が建具職人として修業を積んだ旭川市から取り寄せた逸品ばかり。トラック3台に乗せて同日、現地に運ばれた。同町は家屋が倒壊した町民の生活再建に活用する考えで、小亀さんは「役立ててもらえるのはとてもうれしい」と喜んでいる。

 同日、安平町職員6人が小型や中型のトラック計3台と公用車に乗り合わせて店舗前に到着。小亀さんの指示を受けながら、家具同士がぶつかって傷が付かないよう毛布で包み、隙間が空かないようにトラックに積み込んだ。

 作業は約1時間半で終了。大型の高級たんすや食器棚、テーブル、ふすま紙など多岐にわたる総額150万円相当の品々が寄贈された。

 小亀家具店は1963年に音羽町の現在の場所に路面店として創業。小亀さんが旧上川管内神楽町(現旭川市)の出身で旭川市内の工場で建具職人としての技能を磨き、苫小牧で独立。職人時代の縁を生かした家具販売を展開。顧客を増やしたが、年齢に伴う体力の衰えを理由に今月閉店した。

 安平町は寄贈品一式の活用方法として、半壊以上で公費解体し、町内で新築予定の町民を対象に譲り渡す考え。内覧会を開くほか、希望者には搬送も町で対応する方針だ。

 同町総務課の田中一省課長は「地震を思い出したくなくて家具を処分する人も少なくない。町民の新たな生活に向けて家具の寄贈は本当にありがたい」と感謝した。

 小亀さんも「安平町から買い物に来てくれる人もいた。大変な地震だったが、お世話になった恩返しに少しでもなれば私もうれしい」と話している。

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