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国内外来種コマクサ、樽前山で繁殖進む 生態系脅かす可能性

2019/8/14配信

 苫小牧市と千歳市にまたがる樽前山(1041メートル)の登山道脇や斜面に、国内外来種のコマクサが繁殖している。「高山植物の女王」と呼ばれる赤、白、ピンクの花が美しい人気の高山植物だが、生態系を脅かす恐れがあるとし、環境省が抜き取り作業を進めている。現在も数千本が生えており、同省北海道地方環境事務所(札幌市)は「生態系に影響を及ぼす可能性がある。株や種の持ち込みはやめてほしい」としている。

 コマクサは、高さ5センチほどの多年草。花が馬(駒)の顔に似ていることから、その名が付いた。国内では北海道から中部地方にかけての高山帯に分布しているが、樽前山では自生しておらず何者かが株を持ち込んだとみられる。山岳関係者らによると、20~30年ほど前から同山の数カ所で見られるようになった。

 同省は国内外来種として、2004年度から08年度まで同山での防除作業を展開。一定程度減ったため、作業を一時休止したがその後、再び増加が確認されたため13年度に再開した。現時点で在来植物への影響は確認されていないが、定点観測とパトロールを続けている。

 資料が残る13年度以降で、年に5000~1万本程度のコマクサを除去。18年度も約9000本を抜き取り、大きく成長した株こそ少なくなったが急斜面で人が入り込めない場所などにはまだ数千本が残っているとされる。今年も抜き取り作業を行っている。

 コマクサ繁殖の背景について、同省支笏洞爺国立公園管理事務所(千歳市)の国立公園管理官塚本康太さん(28)は「外来種に対する意識が低い時代。山にはコマクサが生えている方がよいという安易な発想で持ち込まれたのでは」と推測する。

 地域の植物に詳しい樽前山の自然を愛する会の新沼友啓代表(68)は「コマクサは繁殖力が強く、在来種のイワブクロ(タルマイソウ)が生えるような火山灰地に入り込む可能性もある」と指摘。「種が落ちて数年たってから芽が出る性質を持ち、抜き取ったと思ってもまた生えてくる」と説く。

 その上で「素人が抜き取ると種が花からこぼれ落ちることがあるので、専門家に作業を任せた方がよい」と強調。「コマクサを見ようと登山道を外れて斜面に入り込むと、在来植物を踏みつけたり、転落する危険性があるのでやめてほしい」とも。

 国内外来種のコマクサの繁殖は近年、樽前山以外でも問題化。士別市とオホーツク管内滝上町にまたがる天塩岳(1558メートル)では、10年ほど前から登山道沿いなどで増え始め、道職員を中心とした抜き取り作業やパトロールが続く。

 樽前山の外輪山でコマクサを見た登山歴5年という恵庭市の会社員の女性(39)は「斜面にびっしりと生えているのに驚いた。高山植物は好きだけど、自然にあるものが見たい」と困惑した様子だった。

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