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戦後占領下の「墨塗り教科書」見つかる 知人から譲り受けた雑誌の中に偶然-沼ノ端中央の星野邦夫さん

2019/8/13配信

 戦後占領下、内容が不適切とし、国家主義や戦意を高揚させる記述などが墨で塗りつぶされた教科書が、苫小牧市沼ノ端中央の会社役員星野邦夫さん(76)の事務所で見つかった。20年以上前に知人男性から譲り受けた書籍の山に埋もれていたという。星野さんは「戦前と戦後で教育の価値観が180度変わったことを示す貴重な資料。大切にし後世に残したい」と話す。

 教科書の墨塗りは終戦直後の1945(昭和20)年9月、旧文部省の通達で戦争を賛美する内容は不適切とし、全国的に行われた。

 見つかった教科書は20年ほど前、60代で亡くなった同じ地域に住む八つ上の知人男性から生前に譲り受けた。男性が趣味で集めていた「ベースボールマガジン」や「明星」などの雑誌類を中心とした約500冊の中にあった。

 同省が43(昭和18)年2月28日付で発行した小学5年生用の国語の教科書「初等科國語 五」(A5判、138ページ)で、墨塗りが確認されたのは20の挿話中8話計71ページ。全体の5割に当たる。

 消されていたのは、巻頭詩「一 大八洲(おおやしま)」や南太平洋の戦地から国内にいる子どもたちに「国に尽くせ」と教える「四 戦地の父から」、飛行機整備兵へのインタビュー「十八 飛行機の整備」など戦争や兵士を主題とした内容が目立つ。

 教科書は、市内沼ノ端地区の沿革史「百二十年のあゆみ」を町内会役員らと編さんしていた2月ごろ、資料整理の過程で偶然発見したという。

 市立中央図書館郷土資料室によると、同図書館でも終戦直下に使用された教科書は収蔵しておらず、市美術博物館も「苫小牧でも教科書の墨塗りがあった事実を示す資料であり、珍しい」(学芸員)と言う。

 星野さんが譲り受けた書籍の中には小中高時代の授業のノートや算数、音楽などの教科書も含まれていたが墨塗りを確認できたのは1冊だけだった。

 他には、知人男性が苫小牧西高3年の時に書いたとみられる「時事問題」というタイトルが付いたノートもあった。米国の大統領制や国際連合の仕組みなどについて、手書きの図などを添え、きれいな字でつづられている。終戦当時3歳だったという星野さんは「(知人男性は)憧れの先輩の一人だった。戦後の発展に期待を込めて生きていたのだろう」と話した。

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