火口や噴気孔、目視で確認 樽前山の合同登山に60人
2019/5/30配信
苫小牧市や千歳市、白老町をはじめとする樽前山(1041メートル)周辺の自治体、警察、消防、自衛隊などでつくる樽前山火山防災協議会(樽防協、事務局・苫小牧市)は29日、現地視察合同登山を実施した。19機関・団体から約60人が参加し、火口付近の様子などを見て回った。
札幌管区気象台地域火山監視・警報センターによると、樽前山の噴火警戒レベルは「1」(活火山であることに留意)だが、山頂の溶岩ドーム周辺は高温状態が継続している。
樽防協主催の合同登山は2016年から毎年、春と秋に1回ずつ行っている。
参加者は登頂後、火口原に入り、溶岩ドームにある火口や噴気孔などの状況を確認。赤外線カメラで温度を撮影したり、噴煙の高さを目視で観測した。
溶岩ドームをほぼ1周してA火口、B噴気孔群、ドーム北東のF噴気孔などに接近した室蘭地方気象台の村島巧火山防災官は「静穏に推移していると思われるが、注意が必要」と述べた。
事務局の市危機管理室の高坂聡主査は「関係機関・団体と樽前山の現況について情報共有できてよかった。現在策定中の避難計画の参考にしたい」と話した。
この日は、7合目ヒュッテなど4カ所で携帯電話の電波状況も調査。事務局によると、登山道でも電波は通じたという。