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右肩に人工関節入れ、手術後も弓道に励む 苫小牧の山内もとさん(85)

2019/5/23配信

 昨年1月、右肩に人工関節を入れる手術を受けた後も、37年間打ち込んできた弓道に励み、11月に札幌市で開かれる全道大会への出場を目指す女性がいる。苫小牧市木場町の山内もとさん(85)。全日本弓道連盟教士7段で、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者弓道指導員を務めるベテランは、6キロの弓を手に毎朝2時間の練習を欠かさない。手術後初となる大会出場に向け、10キロの弓を引けるようになるのが当面の目標という。

 山内さんは苫小牧生まれ。1952年に王子製紙苫小牧工場に事務職として入社した。弓道を始めたのは80年。48歳の時、同社弓道部のマネジャーを依頼され「引き受けるなら弓道をもっと良く知らなければ」と思ったのがきっかけだった。

 全くの素人からスタートしたが、同年9月までに2段の腕前となり、48歳から66歳まで連続12回、全日本女子弓道選手権大会出場という道弓道連盟南部地区(胆振・日高管内)では唯一の記録を樹立。86年7月、54歳で指導者の資格となる錬士(れんし)号を取得した。92年7月には教士号、94年から4年間、苫小牧地区弓道連盟理事長と北海道弓道連盟南部地区常任理事を務め、2000年7月には7段に昇格した。

 人工関節が必要となった契機は、05年11月に行った趣味の樽前山登山。下山時に岩場で転倒し、右肩を強く打った。市内の病院で診察を受けたが「その時は痛みが引いたので治ったと思った」と山内さん。「今から思うと、その時に腱が切れかかっていたのかも」と振り返る。

 右肩に違和感を覚えながらも全国大会に年2回、地区大会に同3回のペースで出場してきたが17年11月に肺炎で入院した際、右肩から「ブツッ」と音がして腕が上がらなくなった。MRI検査などで詳しく診察した結果、右肩の腱が切れていたことが判明した。

 落ち込む山内さんに、医師は「腕を上げるための方法として人工関節があるが、弓道を続けられる保証はない」と説明。弓道を続けたい一心だった山内さんはわずかな可能性を信じ、18年1月に札幌市内の病院で、チタン製の人工関節を埋め込む手術を受けた。リハビリ開始から約1年半となるが、人工関節を知る人たちが驚くほど経過は順調で、山内さんは「仲間の支えもありがたい」と感謝する。

 近くで、山内さんの練習を見守る苫小牧地区弓道連盟理事の佐藤忠茂さん(67)は「けがを物ともせず、懸命に弓道と向き合う姿は他の模範」と目を細める。苫小牧市内有珠の沢町の主婦で、弓道歴4年の池田典子さん(64)も「次につながるアドバイスをくれる。優しい先輩」と笑顔を見せる。

 山内さんは弓道について「好きという一念で続けている。人工関節にしてから初の大会でどこまでできるのか自分が一番楽しみにしている」と明るい。

 11月10日に札幌市内で開かれる北海道弓道錬教(れんきょう)士選手権大会では、弓を引く作法や型が審査のポイント。弓を引く前に心を落ち着け、精神を集中させる「執弓(とりゆみ)の姿勢」にも磨きをかけ、「本格的な型で弓が引けるかが課題。日々の練習を大事にしながら本番を迎えたい」と意気込む。

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