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渋沢は王子製紙設立に参画 OB「親しみ覚える」-紙幣デザイン一新

2019/4/10配信

 政府が現在使われている1万円札、5千円札、千円札の紙幣デザインを一新すると発表したのを受け、苫小牧市内でもさまざまな声が上がってる。新たな肖像の3人とゆかりのある業界の関係者らは、お札の刷新に強い関心を示している。

 新しい肖像は、1万円札が実業家渋沢栄一、5千円札が教育者津田梅子、千円札が細菌学者北里柴三郎。
 渋沢は、明治維新後に第一国立銀行(現みずほ銀行)を立ち上げたほか、現在の王子製紙と日本製紙の前身である初代王子製紙などさまざまな会社の設立に参画し、「日本実業界の父」と呼ばれた。

 王子製紙苫小牧工場のOB会「苫小牧王友会」会長の吉田利昭さん(75)は「働いてきた会社にゆかりのある人物が最高額紙幣の顔になると知り、会社と渋沢氏により親しみを覚える」と強調。「(発行は)5年後がめどということなので、実際に手にするまで長生きしなければ」と喜んだ。

 北洋銀行苫小牧中央支店の鈴木秀夫支店長も「近代金融制度の礎を築いた人物で金融業界で働く者としては誇らしく、大変うれしい」と話す。市内春日町の会社員新谷重人さん(35)は「経済で名をはせた人が、これまで紙幣に使われることはなかっただけに新鮮味を感じる」と言う。

 神功皇后、樋口一葉に続いて紙幣の肖像画に使われる3人目の女性となる津田は、日本で最初の女子留学生として渡米。女子の国際的知見を広めようと東京都内に女子英学塾(現津田塾大学)を創設したことで知られる。

 男女平等参画の推進へ、同都市宣言や日本女性会議の苫小牧開催などをけん引してきた市民団体・平等社会を推進するネットワークとまこまいの高橋雅子会長(82)は津田の採用について「よりよい社会をつくろうと奮闘した明治、大正の女性の功績に、現代の女性が関心を示すきっかけになるのでは」と歓迎。「新たな時代を迎える今だからこそ、先人から学ぶべきことはたくさんある。誰もが当たり前のように行使している権利について、改めて考える機会にもなれば」と語る。

◇    ◇

 北里は、破傷風の血清療法やペスト菌発見で感染症医学の発展に貢献。私立北里研究所(現社団法人北里研究所)を設立し、国内の公衆衛生に尽力した。苫小牧市医師会会長で、北里が創設に関わった慶應義塾大医学部出身の沖一郎さん(67)は「日本医師会の初代会長でもあり、医学と医師会発展の大本。親近感がある千円の顔になったことは非常に喜ばしい」と笑顔。「母校にある北里記念医学図書館にある多くの医学書にお世話になった」と懐かしむ。

 市内日吉町の飲食店経営、尾形正博さん(35)は「正直、肖像の人は3人とも知らなかった」としながら「裏面の東京駅、フジの花、富嶽三十六景は、芸術性があり日本的で気に入った」と笑顔。「お札は毎日、店のレジで扱い、1万円は諭吉と呼んで慣れ親しんできた。現行紙幣は1枚大切に保管したい」と言う。

 「従来のデザインでもいい気がして新しい札を造る必要性をあまり感じない」と語るのは永福町の会社員神田篤さん(46)。「偽造防止のためと言うが、新元号になるので一新して気分を改めたいのかな」と述べた。

 苫小牧中央高校3年の神田隼人さん(17)は、紙幣のデザインが変わるのは初めての経験。「葛飾北斎の絵が採用されたのが印象的。改元と紙幣刷新発表のタイミングがほぼ重なったこともあり、令和時代の紙幣として徐々に定着すると思う」と話した。

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