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重要性増す心身ケア、孤立防止の対策も 胆振東部地震・被災3町の仮設住宅

2019/3/18配信

 胆振東部地震の発生から半年以上が過ぎた中、被災地の厚真、安平、むかわ3町の応急仮設住宅で暮らす人をケアする重要性が増している。慣れない仮設生活で心身の不調を訴えたり、周囲に溶け込めず孤立したりする懸念も浮上。3町の社会福祉協議会は、住民交流を促し、支え合いの仕組みをつくるなど対策を進める考えだ。〔関連2、15面〕

 ■孤立対策が重要

 「仮設住宅で暮らす人は密接な近所付き合いを望んでいないよう。みんなで集まるようなイベントを求める声も少ない」。むかわ町社協の加藤務事務局長(65)は状況をそう説明した。

 3町では計約220戸のプレハブ造り仮設住宅が整備され、昨年11月から入居が始まった。入居期間は最大2年間。今月5日現在、計214世帯475人が暮らしている。生活は落ち着きを取り戻してきたものの、住民に対するケアの必要性は増している。

 むかわ町社協は2月中旬、仮設住宅の人々にアンケートを実施。乳幼児から高齢者までの幅広い年齢の67人が暮らし、そのうち1人暮らし高齢者は5人いた。調査の結果、仮設住宅団地内での情報共有や防火・防災活動を必要としている一方、イベントや趣味活動は約3割の住民が不必要と回答。近所付き合いへの関心も低いことが分かった。

 「働いている人が多いので、平日は仮設住宅からほとんどの人がいなくなるが、高齢者は残っている。この高齢者が孤立していくことが心配だ」と加藤さん。東日本大震災の被災地では、仮設住宅での孤独死問題が顕在化しただけに、対策の重要性を感じているという。

 ■心身不調が顕在化

 生活環境の急激な変化や、慣れない暮らしによるストレスで心身不調を訴える人も目立つようになった。災害関連死という認定は受けていないが、厚真町や安平町では仮設住宅に入居した後、体調が急に悪化して入院した人が相次ぎ、中には死亡した人もいるという。

 また、家に閉じこもりがちになることで、認知症の発症リスクが高まる懸念も生じている。

 こうした中で3町の社協は孤立化を防いだり、心身をケアしたりする取り組みに力を入れ始めた。厚真町社協は1月、仮設住宅の談話室で体操やヨガの教室をスタート。教室は各仮設住宅団地で毎週1回開き、運動不足の解消と住民同士の関係づくりを促す場として定着しつつある。同社協は今後、住民の意向を受けて、編み物など趣味の教室も設けたいという。

 さらに、外出したくても移動手段がない高齢者を支援するため、その仕組みづくりについて町内の自治会などと共に模索していく。

 安平町社協とむかわ町社協も対策に急いでいる。仮設生活の人々が抱える悩みの解決に、同じ仮設の住民も関わる支え合いの体制を築きたいとし、中心になってもらえそうな人への働き掛けや連携を深めていく考えだ。

 生活再建のめどが立たず、いら立ちや焦燥感を募らせている住民もいる中、安平町社協の高橋光暢さん(43)は「人が元気でないと、まちの活力も失われる。町民同士の支え合いで人が元気になれるように支援することが、復興で社協が果たすべき役割だと考えている」と力を込める。

(報道部・姉歯百合子)

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