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東西両港を機能分担 人手不足背景にAI導入も-苫小牧港長期構想

2019/3/12配信

 苫小牧港の20年から30年先の目指すべき姿を示した「苫小牧港長期構想」の改定内容が固まった。11日に苫小牧市内で開かれた第5回検討委員会(委員長・須野原豊日本港湾協会理事長)で最終案が審議され、ほぼ原案通りで了承された。各委員の最終意見を踏まえ、2018年度内に策定する。

 同構想は、人手不足を背景とするAI(人工知能)の導入や荷役の効率化、東西両港の機能分担などを盛り込んだ苫小牧港の長期戦略。将来ビジョンとして▽国内物流の効率化を先導する港(スマートポート)▽北海道の「食」を世界へ届ける港(フードポート)▽道民・国民の命と暮らしを強くしなやかに守る港(レジリエンスポート)―を掲げた。

 これに基づく施策の方向性では(1)生産性向上に資する複合一貫輸送拠点(2)環境負荷軽減に資するエネルギー拠点(3)北極海航路の地域的ハブ港(4)北海道の「食」と「観光」のゲートウエイ(5)市民と観光客が触れ合うにぎわい拠点(6)安全・安心な港湾機能を確保した海上物流拠点―を示した。

 具体的な施策で特に注目されるのは、複合一貫輸送拠点の位置付けと、道産農水産品の高付加価値化、防災機能の強化による物流の強靱(きょうじん)化。東港区で建設が進む大型冷凍冷蔵倉庫を核とする農水産物や加工食品の製造、保管、流通加工といった「食の物流機能」(フードロジスティクス)の強化を組み込むなど、現在の課題を踏まえた次世代型の港湾形成を主軸としている。

 同構想はおおむね10年置きに改定。第6期となる今回の改定作業は2016年度から始まり、ほぼ年1回のペースで検討の会合が開かれてきた。

 最終会合では、これまで示された意見や昨年末に実施されたパブリックコメント(意見公募)の内容を踏まえた最終案を提示。事務局の苫小牧港管理組合は、西港区の一部機能を東港に移す機能移転について「現時点では関係者との合意形成が極めて困難と判断したが、長期的な情勢変化による移転可能性を残すべき」とする方針を説明。東港区弁天埠頭(ふとう)の沖合部を大型船の利用可能な水域や、背後ヤードの確保が可能な留保空間エリアとして選定する考えを示した。

 各委員からは、東港区への鉄道引き込み線導入、AIを活用した物流効率化の促進、東西両港のアクセス強化などを描いた構想案を高く評価する声が上がった。この中では、約20キロ離れ、地理的に不利とされてきた東西両港の機能について「平時の役割分担と有事の際のバックアップ機能が生かせる」「国内を代表する次世代型港湾形成が期待できる」との意見も出た。また、入出港船舶の混雑が課題となっている西港区の現状を踏まえ、早期の構想実現を求める声もあった。

 事務局の同組合は各委員の意見を踏まえ、最終案に一部修正を加えた内容で今年度内に改定長期構想を策定する方針としている。

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