7

20(土)

胆振の
明日の天気

曇り

20 / 17

主要

被災3町 今、思うこと

2019/3/6配信

 最大震度7の揺れを観測した胆振東部地震からきょう6日で半年。大きな被害を受けた厚真、安平、むかわの3町の町民に、近況や今の心境を聞いた。

支え感じるも心晴れるのは先 厚真町幌内農業・小納谷睦子さん(66)

 あれからもう6カ月たったのかと思うこともあるし、時間が止まっていると感じることもある。自宅は大規模半壊し、田んぼや畑も一部が土砂に埋まった。今は町内の仮設住宅で生活している。

 この間、家に帰ってみたら家も土砂もそのままだった。公的な施設の復旧は進んでいるが、うちは農家なので見通しを付けにくい。とにかく時間が必要。

 いろいろな支援をありがたく思っているし仮設住宅に入ってからも、たくさんの人に支えられていると感じてはいる。ただ、心が晴れるのはまだまだ先。いったいどうしたらいいのだろう。春はやって来るのか。

不安を癒やすことができれば 厚真町表町パン店経営・宮野和美さん(45)

 「パン工房Chillin’(チリン)」でパンを製造、販売している。4月で開店から1年を迎える。

 パンを通してほっとする瞬間を届けたい―と頑張ってきたが地震後3週間弱は避難所生活を余儀なくされ、店も1カ月間休業した。

 今は常連客をはじめとする多くの人たちに支えられ、一人で切り盛りする小さなパン屋も元気に営業を続けられている。店内では主婦層を中心に何気ない会話を楽しむことが多い。

 厚真は余震が多く、心が折れそうになる人もいるが、そんな不安をパンで少しでも癒やすことができればと思っている。

人を助けるマンパワー実感 安平町早来大町、地域おこし協力隊員・松井由美子さん(41)

 地震発生時は自宅にいたがたんすが倒れるほどの揺れに焦って家の中と外を出たり、入ったりしていたのを思い出す。断水も大変だったけど夫が苫小牧まで水をくみに行ったり、知り合いにお風呂を借りたりしてしのいだ。困っている人を助けるマンパワーを実感した半年だった。

 一方で、損傷した公共施設などを目にすると、まだ町は元には戻っていないのだなと感じる。

 茨城県出身で、2016年4月に安平町の地域おこし協力隊員に就任以来、農業体験、菜の花イベント、農家民泊などを企画、実施してきた。これからも同町に住み続け、地域をもり立てていきたい。

苦しみの中、見つけた縁に感謝 安平町追分柏が丘住職・佐々木学嗣さん(39)

 安立寺の本堂は昨年7月に改修したばかりだったのに、地震で大きな被害を受けた。仏具が壊れ、壁の一部にひびが入った。境内には地割れができて一時的に避難地域に指定されもした。しばらくは車中泊でしのいだが、大変だった。せっかく寄付で新しくした本堂が壊れ、悔しい思いをした。

 9月中旬には、地域の檀家(だんか)や他の寺の僧侶が駆け付けてくれ、片付けは済んだ。12月には、寺の集会を再開させ、年末に除夜の鐘を突くこともできた。この半年は人とのつながり、縁に改めて感謝する日々だった。災害の苦しみの中で大切なことに気付かされた。

人に支えられ創業33年迎えた むかわ町花園焼肉店経営・河本義弘さん(78)

 地震では幸い、家も経営する焼肉店「豚ちゃん」も無事だったが、食器や調度品はほとんど壊れた。店の食器が20枚ほど無事で、肉の仕入れ先などの協力により、5日後に営業を再開できた。常連客やボランティアが毎日来てくれて、「食器購入の足しに」とお釣りを寄付してくれた。

 今も頭が下がる思い。80歳近くまで仕事ができるのはたくさんの人たちに支えられてきたおかげ。世間のありがたみ、温かさをしみじみ感じた半年間だった。

 辞めようと思ったこともあったけど家族や従業員、常連客に背中を押され、3日で創業33年を迎えられた。本当に感謝している。

週間ランキング

集計期間 07/13〜07/20

お知らせ

受付

苫小牧民報社から