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鉄路の行方、見通し立たず 日高線鵡川―様似間不通から4年

2019/1/8配信

 2015年1月の高波被害で日高線鵡川―様似間(116キロ)が不通となってから今月で4年を迎えた。JR北海道が赤字路線の同線区を復旧せず、廃止・バス転換の方針を示しているが、存廃をめぐる沿線自治体首町の意見はまとまらず、協議が長期化していく気配も漂う。沿線住民から公共交通の早期整備を求める声が上がるものの、行方は依然として不透明のままだ。

 日高線の鵡川―様似間は、苫小牧―様似間全体(146・5キロ)の約8割を占める線区。高波による線路の被災でJR北は15年1月7日から列車を運休し、代行バスを運行。復旧に向けて沿線7町(日高、平取、新冠、新ひだか、浦河、様似、えりも)と議論を続けた中で、16年8月の台風で線路の被害が拡大し、復旧費も当初の30億円から100億円に膨らんだ。沿線各町から地元負担の理解を得られず、経営難で費用を捻出できないJR北は復旧を断念。同年12月、赤字路線で経営維持が厳しい同線区の廃止・バス転換の方針を打ち出した。

 ■表面化した意見の相違

 一方の沿線7町は反発し、鉄路存続の方法を模索。線路と道路の両方を走行できるデュアル・モード・ビークル(DMV)導入をJR北に求めるなど鉄路を生かした公共交通の実現を目指したものの、バス転換の姿勢を崩さない同社との話し合いは難航。DMVや全線復旧も諦めた7町は昨年11月、▽被害が少ない鵡川―日高門別間を運行再開し、残り区間はバス転換▽全線バス転換―の2案に絞ることで合意。最終的に1案に意見集約することを確認した。ところが、同12月の7町長会議で浦河町の池田拓町長が「全線復旧の選択肢を残したい」と全線復旧断念の合意を翻し、協議がまた振り出しに戻る形となった。

 同線区をめぐる意見の相違がここに来て表面化。足並みの乱れに日高町村会の坂下一幸会長(様似町長)は「この4年間、7町は国や道に復旧を働き掛け、議論を積み重ねてきた。いろんな考えはあるけれど、交通手段などで困っている住民のため逃げないで取り組みたい」と話し、日高線問題の長期化を懸念する。

 昨年9月の胆振東部地震では、鵡川-日高門別間の沙流川橋梁(きょうりょう)」(日高町)が損壊。復旧に工期2年、費用5億円が掛かるため、同区間の運行再開案もハードルが高くなった。

 ■いら立つ沿線住民

 運行休止から4年たった今も鉄路や地域交通の先行きが見えず、沿線町長らの議論も定まらない状況にいら立つ住民は少なくない。

 鉄道にこだわらず、現実的な公共交通体系の構築を訴える「日高の公共交通を考える有志の会」(新ひだか町)の高橋幸二代表は「(合意を翻した)池田町長は議論を混乱させていると、みんなあきれている」と語気を強め、「日高の将来を考え、長く継続できる公共交通を早く整備すべきだ」と言う。

 一方、路線廃止に反対する「JR日高線を守る会」(同)の村井直美代表幹事は「鉄道が無くなれば地域が衰退するのは各地の経験から明らか。列車はユニバーサルな乗り物。本当にバスでいいのか、もう一度地域に訴えたい」と強調。日高線の先行きに不透明感が増す中、9日に新ひだか町で鉄路再生を求める緊急アピール集会を開くという。

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