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北海道胆振東部地震

胆振東部地震発生から3カ月 生活再建へ前向く-厚真、安平、むかわ

2018/12/6配信

 9月6日の胆振東部地震発生から3カ月が経過した。大きな被害を受けた厚真町、安平町、むかわ町の3町で自宅が全半壊し仮設住宅暮らしを続けながら、生活再建へ前を向く、3世帯を紹介する。

地震がない暮らし願う 厚真町表町・松坂トシ子さん(85)

 「演歌のカセットテープを夜、寝る前に聴いています」。仮設住宅で暮らし始めて1カ月余りの松坂トシ子さん(85)は、地震で自宅が半壊した。仮設住宅での生活にも慣れ、日々の寂しさは好きな歌手の音楽で紛らわせている。

 手狭な1DKの部屋には、シングルベッドが1台。ベッドで部屋の3分の1が埋まっている。

 片隅に仏壇を置いた。約30年前に亡くなった夫と親族の写真を飾る。地震でたんすなどが倒壊したが、仏壇は壊れなかった。朝晩に欠かさず、仏壇の前で「父さん、ばあちゃんを守ってね」と声を出して話し掛ける。

 入居期限(2年)後の転居先は未定だ。「息子たちに心配を掛けられないから町に頼るしかないです」。24歳の時に新潟県から嫁いで来て以来、厚真に骨を埋める決意でいるが、町内宇隆の自宅を建て直す選択肢はほぼない。「ただ、地震がなく、自由気ままに暮らせれば」と願う。

自宅周辺の復旧に希望 安平町追分白樺・川瀬忍さん(66)、僚子さん(68)夫妻

 安平町の元介護職員川瀬忍さん(66)と妻の僚子(ともこ)さん(68)は、11月1日に追分白樺の福祉仮設住宅で暮らし始めて1カ月余りになる。

 追分柏が丘にあった自宅で被災。外壁などが一部損傷したが「それほど大きな被害ではない」とほっと胸をなで下ろした矢先、道から避難指示があり、その後約2カ月間は追分公民館に設けられた避難所で過ごした。

 2人を心配し息子家族が訪ねて来ても、2DKの狭い部屋で「ゆっくりくつろいで」とは言えない。僚子さんは地震の揺れで食器が割れるのが怖くて、棚の上に割れ物を置けなくなった。それでも、発災当時の記憶と少しずつ向き合えるようになってきた。

 このほど、町役場から自宅周辺の復旧状況について説明を受けた。忍さんは「再来年の正月は自宅で過ごせそう。孫たちと新年を過ごすのが、わが家の正月。それをまた実現できると考えると、喜びもひとしお」と述べた。

感謝の気持ち忘れずに むかわ町大原・深根由章さん(69)

 むかわ町大原の仮設住宅に、11月2日から夫婦で暮らしている元時計店店主の深根由章さん(69)は、3年前に閉店した町内花園の店舗兼住宅を震災で失った。

 地震で階段が損壊したため、2階の寝室から消防隊にはしごを掛けてもらい、窓から脱出した。建物が「全壊」だと知ったのは、夜が明けてからだった。11月30日から解体工事が進められている。

 「寂しさもあれば諦めもある」と、深刻に捉えないよう努める日々。「夫婦二人、けがなく生き残ったことを良しとしなければ」

 2カ月間の避難所生活でも、約1カ月を過ごした仮設暮らしでも「みんなに良くしてもらった。感謝の気持ちを忘れずにいたい」。

 ただ、将来については不安もある。この年では新たに家も建てられない。「一人娘に迷惑は掛けたくない。友人も多い、住み慣れたまちだが将来的には古里を離れることもあるかもしれない」と声を落とした。

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