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事業再開へ道筋見えた 厚真の木炭製造業「かまた木炭」-胆振東部地震

2018/11/29配信

 9月の胆振東部地震で、4基あった炭焼き窯すべてが崩壊した厚真町宇隆の木炭製造業「かまた木炭」が、事業再開に向けた準備を急ピッチで進めている。2基を造り直し、土の水分を抜くため、火をたき始めた。12月中には製造を再開できる見通し。代表の鎌田武一さん(38)は「ようやく道筋が見えてきた。出荷を待ち望むお客さんがいるので、また良い炭を作るために頑張りたい」と意気込んでいる。

 「火を消さないと」

 9月6日未明、町内の自宅で就寝していた鎌田さんは大きな揺れに飛び起きた。自宅近くの工房の窯では、木炭を製造中だった。

 震度7の揺れでガタガタになった道路を車で進み、工房にたどり着くと窯がすべて崩壊し、1基からは出火していた。地元の消防隊の協力で延焼は防げたが、窯の無残な姿を見て途方に暮れるしかなかった。

 自宅も半壊し、避難生活を余儀なくされたが、苫小牧市や札幌市の飲食店をはじめ、焼き鳥店を全国チェーン展開する秋吉グループ(本部福井市)にも出荷している木炭。「伝統の炭生産を、簡単に止められない」と奮起し、地震発生から間もなくして再建へ動きだした。4人の従業員や全国から集まったボランティアと共に窯の残骸除去から始めた。

 地ならし後、木材で窯の枠を作り、周囲を粘土と火山灰を混ぜた材料で覆い固めるなどして直径5・4メートル、高さ1・9メートルの窯を構築。雨や雪を防ぐ木造の屋根も取り付けた。

 鎌田さんは苫小牧市内の避難先と、工房、窯の資材業者間を往復。作業は約2カ月に及んだが1基目を今月5日、2基目を19日までに完成させた。

 いずれの窯もまだ水分を多く含んでいるため、火をたいて土を乾燥させている。1基目は12月上旬、2基目は同中旬までかかる見通しだ。

◇    ◇

 青森市生まれの鎌田さんは札幌市内でハウスメーカーの社員として働いていたが、自然に囲まれた環境、炭焼きに魅了され、2004年に退職し、同町に移住。老舗木炭メーカーの新田産業(宇隆)で修行を重ねた。16年にかまた木炭に屋号を改め、代表の新田勝正さん(87)から経営を引き継いだ。新田さんは健康上の理由もあり、60年以上積み重ねたノウハウを鎌田さんに託した。

 長年、取引がある秋吉グループ本部の担当者は「鎌田さんの炭は良質なので、納品を待ち望んでいる。厳しい冬を迎えるが、1日も早く製造再開できることを願っている」とエールを送る。

 厚真町内では、明治時代の末ごろから木炭生産が盛ん。伝統産業の一翼を担う鎌田さんは「炭焼きは生産者が高齢化し、担い手が減っている。大きな地震はあったが、できる限りのことをして炭作りを続けていきたい」と力を込めた。

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