胆振東部地震、復旧作業が本格化 大規模災害の爪痕深く
2018/9/17配信
胆振東部地震で36人が犠牲になった厚真町の土砂崩れ現場で、道路の復旧作業が本格的に始まった。道路に流れ込んだ大量の土砂を大型重機で取り除くなど作業は進んでいるが、現場では今もなお、土砂に押しつぶされた家屋や水田、なぎ倒された電柱など悲惨な光景が広がり、大規模災害の爪痕を深く残している。
19人の犠牲者を出した吉野地区では17日、幹線道路を覆った土砂を取り除き、それを運ぶ大型ダンプカーがひっきりなしに走っていた。
町の市街地と幌内地区を結ぶ道道は、吉野―富里間、富里―幌内間の一部が今も厚さ2~3メートルほどの土砂に覆われ、通行止めの措置が取られている。
現場では、土砂崩れに押しつぶされた家々がまだ残されたまま。遺族や親族が訪れ、命を落とした人の冥福を祈って手を合わせる光景も続いている。
飲料水として使用可能に 上厚真地区の一部地域
厚真町上厚真地区で通水した水道水の安全が一部地域で確認され、17日から飲料水としての使用が可能になった。
飲料水として使用可能な地区は、豊川、富野、共栄、上厚真、厚和、共和、浜厚真。厚真地区では飲み水としてまだ使用できないが、洗濯などの生活用水には利用できる。
16日現在で通水しているのは厚真地区1300戸のうち750戸、上厚真地区では700戸のうち570戸。復旧率は66%で、同町は「通水しても飲料水として利用できるようになるまで少し時間がかかる」としている。
安平町の水道復旧率85%に
安平町の水道の復旧状況は17日現在で、早来地区1617戸、追分地区1450戸の計3067戸となり、復旧率は85%となった。
通水した水道水に空気が入っているため、白い濁りが見られる場合もあるが、同町は「飲めるので安心してほしい。気になる人はしばらく水を流すことで白い濁りがなくなる」と呼び掛けている。10月上旬の全面復旧を目指している。