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教諭ら研修重ね授業展開など意見交換 小学校の「道徳」正式教科に

2018/5/30配信

 学習指導要領の改訂で、2018年度から小学校の道徳が、正式な教科となった。検定教科書の使用が義務付けられ、成績評価もスタート。国は「考え、議論する道徳」を目標に掲げており、苫小牧市内でも教諭らが研修や意見交換を重ねながら、児童生徒の価値観尊重と道徳教育を両立できる授業展開、評価方法を模索している。

 文部科学省は、学校行事の準備や学級活動などに使われてきた従来の道徳の授業時間を、今年度から子供が自ら考え、話し合う参加型に転換。評価を付けない「教科外の活動」から「特別な教科」に格上げした。具体的には、検定教科書を使用し、評価は数値ではなく記述式。授業は年間35時間(小学1年のみ34時間)実施する。

 苫小牧市教育委が採択した小学校の教科書は「新しい道徳」(東京書籍)で、親切心や感謝、命の尊さといったテーマの物語を掲載。授業は登場人物の心境や行動などについて、「自分ならどうするか」「何ができるか」など児童が自分の身に置き換えて考え、子供たちが議論できる形式にしている。

 市教委によると、評価に当たっては生徒の意見を正誤で判断せず、自分の立場に置き換えて考えることができるかなど個人の考え方の変化を見る。授業で気付いたことや意見などをプリントやノートにまとめ、評価の参考にするという。

 5月下旬までに5回の授業を行った市内の小学校教諭は「個々の価値観を尊重しつつ、授業として学んでほしいポイントを子供たちに伝えなければならないので難しい」と率直な思いを打ち明ける。授業の土台は学級で「子供たちが自分の意見を安心して言える環境であれば、道徳の授業でも活発に議論できる。これまでの読み物中心の道徳と異なり、学級の状態がそのまま現れる」と、学級運営の重要性を強調する。

 19年度には、中学校でも道徳の教科化がスタート。市内の中学校教諭は「価値観の押し付けにならないよう、慎重に進める必要がある」と指摘。「異なる意見でも発表しやすい授業展開と同時に、生徒が意欲を持てる評価の仕方について教諭側が勉強する必要性がある」と説く。

 教諭らは、市学校教育力向上マスタープランに基づき、各中学校区に設置されたエリア会議の「道徳教育部会」などで授業見学や意見交換を重ねる。小中9年間を見据えた道徳教育の準備を進めており、明野中の五十嵐昭広校長は「来年度には中学校の道徳も新体制になる。小中の連携を強化しスムーズな移行につなげたい」と語る。

 市教委は今年度、小中学校の教諭でつくる道徳研究委員会を設置。月1~2回程度、教職員が集まり、研修や公開授業を通して質の底上げを目指す。

 今月11日に市教育・福祉センターで開かれた会合には、同委員会メンバーの小中学校教諭4人が出席。教材を基に「登場人物が規則と心情の間で葛藤する点に触れては」などと、子供たちに着目させたいポイントについて意見交換した。「『協力』がテーマなら実際にクラスで協力して成功、あるいは失敗した体験を回想してもらってはどうか」などと、授業の展開手法についても議論。1回の授業内での変化ではなく、学期単位など中長期的なスパンで評価することも確認した。

 市教委は「他の教科と異なり、児童、生徒の個人の変化に教諭が気付き、評価することが重要とされている。小中が連携した教育を進めたい」としている。

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