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PFI導入本格検討 公共施設の建て替え見据え-苫小牧市

2018/4/11配信

 苫小牧市は2018年度から、老朽化した公共施設の建て替えなどを見据え、PFI(民間資金活用による社会資本整備)導入の検討を本格化させる。PFIは施設の設計や建設、管理運営までを一体的に民間に委ねる手法で、コスト軽減などのメリットから、導入の動きが全国の自治体で広がっている。苫小牧市も人口減少による厳しい財政運営を迫られる中で、コスト抑制と市民サービスの維持を図る手法として注目している。

 ■検討会議を設置

 PFIは、公共工事を発注する行政が、民間の資金力や経営能力、技術力を見込んで、施設の設計、建設、改修、更新、維持管理、公共サービスの提供を民間に委ねる仕組みだ。事業コストの削減やより質の高いサービス提供を図る方法として国も導入を推進している。

 苫小牧市では、これまで導入実績のなかったPFIの活用を積極的に探るため、行政改革を主導する総務部の行政監理室を中心に、財政部と都市建設部、上下水道部などの各担当課長で構成する検討会議を3月末に設置。PFIの採用判断基準や、活用を優先的に検討する対象施設の選定基準、事業費の試算方法などを盛った規定を6月にも完成させる方針だ。

 さらに検討会議の構成メンバーを広げて推進会議に改組し、導入への動きを進めることも視野に入れている。

 行政監理室は、複合施設・市民ホール(仮称)の新設をはじめ、老朽化した市営住宅や総合体育館の建て替えなどの大型投資が控えているため、「行政費用の適正化は重要な視点。これまで以上にPFIの議論に積極的に取り組む必要性を感じている」と言う。

 ■広がる導入の動き

 NPO法人日本PFI・PPP協会(東京)によると、4月3日現在で、国や地方自治体などのPFI導入事例は全国で726件。道内では学校や廃棄物最終処分場、総合体育館、火葬場の建設など23件を数える。同協会の担当者は「国もPFIの活用を推進しており、少しずつ導入する自治体が増えている状況だ」と説明する。

 釧路市では12年、市内の計15小中学校の耐震化工事をPFIの手法で進めた。15校を三つに分割し、建設から維持管理までを一括して民間に発注。国庫補助や地方債でカバーできない経費については、一時的に民間側が金融機関から融資を受けて工面した。

 同市はPFIで一括発注した民間と10年間の契約を結び、その期間中、建設費や維持管理費を含めた「事業費」を分割して支払う形を取っている。同市の担当者は「従来通りの市の直接事業で一気に耐震化工事に着手すれば、(単年度の)市の財政負担も大きくなっていた。しかし、PFIの導入で財政支出を平準化でき、単年度負担を軽くすることが可能になった」と利点を挙げる。

 苫小牧市内にも国発注のPFIで造られた公共施設がある。法務局や検察庁が入る苫小牧法務総合庁舎(旭町)で、06年に建設された。電力会社や空調設備会社、建築設計事務所、ビルメンテナンス会社と共同企業体をつくり、施設の設計から建設工事、維持管理をトータルで受注した岩倉建設(札幌市)の担当者は「計画段階から携われるので、より使いやすい施設になり、コストの軽減にもつながると思う。(共同企業体として)他社とのグループ経営になるので、PFIは運営ノウハウの向上にも役立つ面もある」と言い、活用の広がりに期待を寄せる。

 公共施設の整備で自治体から関心を集めるようになったPFI。人口減少時代の進展で行政の財政運営が厳しくなる中、導入をめぐる苫小牧市の今後の議論が注目される。

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