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事業停止から4年、権利交渉が難航 宙に浮く駅前再開発-旧苫小牧駅前プラザ・エガオ

2018/4/6配信

 JR苫小牧駅南口前の大型商業ビル「旧苫小牧駅前プラザ・エガオ」。経営難に陥ったビル運営会社サンプラザが事業停止してから今月で丸4年たつものの、”苫小牧の顔”とも言える駅前の一等地でいまだ巨大な空きビル状態が続く。市は解決に向けた一括管理を図るため、建物と土地の所有者に不動産権利の無償譲渡を求め、所有権をほぼ集約。だが、残る権利者との交渉が難航し手詰まり感が強まっている。こう着状態の中で駅前再開発も宙に浮き、市民や商業者からは早期解決を望む声が上がる。

 ■権利集約を目指す市

 エガオは、運営会社サンプラザが2014年4月に突然、事業停止。札幌地裁に自己破産を申請した。自主営業に入ったテナントの店舗も同年8月末で営業を終え、ビルは完全に閉鎖。土地建物の29法人・個人に及ぶ複雑な権利関係による財産処分の難しさなどを背景に、サンプラザの破産手続きも進まなかった。

 駅前に巨大な空きビル放置を懸念した市は15年、打開に向けて動き出した。エガオの土地建物をいったん市が所有し、空きビル解消につなげるため、不動産の所有者に権利の無償譲渡を要請。権利を持つ企業や個人のほとんどから譲渡を受け、地裁もこの結果を踏まえて16年4月、サンプラザの破産手続きを認めた。

 市はビルの権利を一本化した上で、建物の解体を条件に民間から再開発計画を募り、最良の計画を提示した民間業者へ無償で譲渡する方針。昨年2月までに建物の権利は完全に集約したが、土地に関しては一部権利者との交渉が難航し、いまだ集約できていない状況だ。

 市は権利集約に向けて粘り強く交渉を続ける考えだが、譲渡要請に応じていない地権者の男性は「この土地への思い入れが強い。固定資産税もこれまでしっかり払ってきたので、市が『まちづくりのためだから』と無償譲渡を求めてきても応じることはできない」と現在の心境を語る。

 ■駅前再開発も進まず

 先行き不透明なエガオ問題。苫小牧駅南口のまちなか交流センター・ココトマで、バスを待っていた市内しらかば町の女性(78)は「苫小牧の駅前は本当に寂しい。苫小牧より人口が少ない他の街の駅前を見ても、まだ活気があるのに」と話した。

 問題が一向に解決されない中、駅前再開発も動き出せない状況にある。市が関係機関と協議している駅前広場の再整備計画は15年度中に策定する予定だったが、エガオ問題によって17年度も計画は固まらず、閉鎖中の旧バスターミナルや老朽化した苫小牧駅ビルの対策も先送りされている。

 エガオが絡む再開発の足踏み状況に、市商店街振興組合連合会の秋山集一理事長は「苫小牧全体のまちづくりに関わる大きな問題」と指摘。「東西に長い苫小牧にとって中心街は、市民が集まる地域。市は権利者との交渉だけにとどめず、このコミュニティー機能を今後どう生かすのかといった議論をもっと進めていくべきだ」と強調する。

 苫小牧商工会議所も市への要望書に、早期の駅前再整備の重要性から公費でのエガオビル解体を求める項目を加え、自治体としての積極性を促している。

 市道駅前本通沿いでライブハウスを営み、14年から毎年8月末に中心街で無料音楽フェス「活性の火」の運営を手掛ける杉村原生さん(39)も気をもんでいる。エガオ問題の解決を含め、中心街の再生に向けては「市民一人一人が考え、やれることをやっていかないと、何も変わらないと思う」と実感を語る。

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