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第20回長塚節文学賞で優秀賞 高岡さん「文学賞」通算10回目

2018/1/12配信

 苫小牧市高丘で自営業の高岡啓次郎(本名・定司順治)さん(66)が執筆した小説「クラック」が、茨城県常総市が主催する第20回長塚節(たかし)文学賞の短編小説部門で2位に当たる優秀賞を受賞した。受賞式は2月10日に同市で行われる。2009年に初めて文学賞に入選して以来、通算10回目の受賞。高岡さんは「さらに大きな文学賞を目指す弾みになる」と喜び、次回作の執筆に意欲を燃やす。
 
 小樽市で生まれ育った高岡さんは、20歳で苫小牧市に移住。苫小牧民報社で販売業務に従事した後、28歳から建築塗装の自営業を始め、現在も続けている。学生の頃から風景画や抽象画を描いていたが、絵だけでは自分の思いを表現し切れないと、30代から詩作に挑戦。50代で一念発起して初めて書き上げた処女小説「一日だけの長い旅」が第18回とまみん文学賞で佳作に入選した。それが大きな自信と創作活動の原動力となり、これまで100作品を生み出しこれまで、北九州文学協会文学賞、室蘭文学賞などの賞を受けた。いずれも「自己喪失」をキーワードに、随所に謎を散りばめて最後まで読者の興味を引き付ける。
 
 今回受賞した「クラック」の主人公は塗装業を営む40代男性。10年前に工事した個人宅から再び仕事を依頼され、訪問するシーンから始まる。家庭の様子はすっかり変わり、父が家出し、少女だった娘は大人になって2児の母親になったが育児に悩んでいる。そんな家族の姿を目の当たりにした主人公は、自身の離婚や再婚相手との不仲を重ね合わせる。壁に生じたひび割れ(クラック)を補修しながら、人間関係をいかにして直していくか自問自答する物語だ。
 
 長塚節文学賞は、芥川賞作家の高橋三千綱さんが審査委員長を務め、歌人・作家の長塚節(1879~1915年)のふるさとである茨城県常総市が1998年から実施。長塚節は農民文学の先駆けとなる小説「土」が代表作であり、泥や汗の臭いがする風景を意識しながら、400字詰め原稿用紙47枚の作品を1カ月でまとめた。
 
 昨年12月中旬に受賞の知らせが舞い込み、「尊敬する小説家の文学賞に、3度目の挑戦でようやく入選できた」と喜びもひとしお。近年は太宰治賞(筑摩書房)やオール読物新人賞(文藝春秋社)といったメジャーな文学賞で1次選考を通過するほど、腕を上げてきた。所属する文芸同人誌「響」(苫小牧市)、「ざいん」(室蘭市)、「海」(福岡県大宰府市)の仲間とさらに切磋琢磨しながら小説執筆に取り組んでいく。

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