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苫東で自動運転車の走行試験展開 積雪環境下の基礎データ収集

2018/1/11配信

 国内最大級の産業地域、苫小牧東部地域(苫東)が積雪環境を想定した自動運転車の走行試験の場として活用されている。経済産業省と道、道内企業などによる官民共同の今年度から3年計画の取り組みで、今月中旬には昨年12月に続いて2回目の走行試験を予定。来月までに計3度の試験を行い、道路の白線など目印が見えない積雪環境下でも自立運転できるシステムの構築に向けた基礎データを集める。苫東では、自動運転車開発用テストコースの誘致に力を入れており、実現に向けて大きな一歩になりそうだ。

 同プロジェクトに参画し、AI(人工知能)技術などを開発するアーク・システム・ソリューションズ(札幌市)によると、現在の自動運転車は道路上の標識やセンターラインなどの目印を活用する技術が主流。これらの空間情報が認識できない積雪環境下でも安全に自動運転システムを利用できるよう、GPS(全地球測位システム)やセンサーからの検知データ、車載カメラの画像などを基に自立運転できる技術や研究環境の確立などを目指す。

 経産省を中心に、自動車関連ソフトウェアや安全システムなどの開発を手掛ける道内と愛知県のIT関連企業をはじめ、自立走行技術の知見を持つ北海道大学、輸送用機器製造のヤマハ発動機などが参画。同省の「戦略的基盤技術高度化支援事業」を活用し、3年計画で技術の実用化を目指す。初年度の補助金額は最大4500万円。3年間合計で最大1億円の研究開発費を国が支援する。

 苫東エリアでは、約500メートルの直線コースと高低差とカーブ、舗装路と未舗装路を組み合わせた約1キロの二つのコースを設定。自動運転システムを搭載した車両で実際に走行試験を行う。昨年12月25日の初回試験では積雪がほとんどない状態だったため、2回目以降で積雪時のデータを収集する考え。

 道経産局の担当者は走行試験場所に苫東エリアを選んだ理由について、「道や苫小牧市などが誘致しており、公道を使った実証試験の環境にも適していた」などと説明する。

 自動運転車の開発では、高速道路や踏み切り、国道や道道、市道などの公道、凍結・積雪などあらゆる環境を想定した実証実験が不可欠だが、苫東エリアにはこれらの条件が比較的そろっている。開発に携わる民間企業の担当者は「将来的な開発ステップとして一般公道での実証が必要。その中では好立地な環境と言える」としており、自動運転車の開発拠点への可能性に地元関係者の関心も高まりそうだ。

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