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魚屋佐藤、19日移転再開 難病を克服、再び商売を決意

2017/12/16配信

 苫小牧市花園町3で2年前に閉店した生鮮スーパーさとうが19日、同町4の道道苫小牧環状線沿いで「魚屋佐藤」として再オープンする。病に倒れて閉店を余儀なくされた社長の佐藤勝雄さん(68)が健康を取り戻し、新鮮な魚と総菜に加え、評判だったオリジナル商品も取りそろえる。休憩スペースも設け、地域高齢者のサロンとして気軽に足を運んでもらいたい考えだ。

 佐藤さんは17歳の時から鮮魚店で修行を重ね、30歳で独立開業。長年営んできた生鮮スーパーさとうは、地域に根差した個人店の小回りの良さを生かし、鮮度確保や手作りに力を注いできた。魚、肉、総菜を店内で加工・調理して販売したほか、オリジナル商品「おやじのこだわり」シリーズのキンキやハタハタなどで作るいずし、バジルで味付けしたホルモンは、苫小牧市外からも目当ての客が訪れるほどの人気だった。

 2015年10月、佐藤さんが66歳の時に体が突然動かなくなった。診断の結果、運動神経に障害が起こるギランバレー症候群と判明。時間をかけてリハビリすれば患者の多くが快方に向かう一方、年間で10万人に1~2人しか発症しない原因不明の病気だけに動揺を隠せなかった。家族経営で「自分が働けなかったら店が続かない」と判断。同年12月19日に、36年の歴史に幕を下ろした。

 16年4月に市内の青葉病院を退院後も同病院で通院してリハビリに励み、自宅で妻友子さん(58)の献身的な介護を受けながら、畑いじりや山菜採りなど積極的に体を動かした結果、普通に生活できるまで回復。「青葉病院の和田耕一院長やリハビリスタッフに本当に支えられた」と感謝するとともに、「商売ばかりやってきたから、じっとしていられない」と再オープンを決意した。

 以前の店舗は人手に渡り取り壊されたため、近隣で閉店した居酒屋店舗を借りて改修。店名を魚屋佐藤に改め、妻と従業員の3人で切り盛りする。以前の店に比べ、売り場面積は3分の1に縮小。駐車場約20台分のスペースを確保した。市公設地方卸売市場・水産市場で毎日仕入れた新鮮な魚を取り扱う。今の旬はカレイ、タラ、ホッキという。刺し身や干物に加え、ベニザケや新巻ザケなどの贈答品もそろえた。総菜は店内で作り、おやじのこだわりシリーズは人気だったバジルホルモンなどを提供。いずしも設備を整え次第、販売を始める考えだ。野菜は来春から取り扱う。佐藤さんは「前浜産の魚介類を安く提供したい。慣れてくれば、買ってもらった魚を調理して提供するなど、個人客の要望に応えたい」と張り切る。

 店内の片隅にテーブルと椅子をそろえ、買い物客が休憩できるよう配慮。佐藤さんは「近所のお年寄りが総菜を買って食べたり、お茶を飲みながらお客さん同士で世間話できるサロンのような空間にしたい」と話す。オープン日の19日は、ちょうど2年前に店を閉めた日と重なる。健康のありがたさを痛感しながら、商売を通じた地域貢献に取り組んでいく考えだ。

 営業時間午前9時~午後6時。月曜定休、臨時休業あり。問い合わせは電話 0144(56)5255。

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