胆振・日高地方は２３日、超大型で強い台風２１号の接近に伴い強風と雨に見舞われており、同日夕方から夜にかけて暴風、高波に警戒が必要だ。暴風警報が発令された苫小牧市と厚真町では、全小中学校が休校した。

　室蘭地方気象台によると、台風２１号は２３日午前３時に静岡県御前崎市付近を１時間におよそ６０キロの速さで北北東へ進んでいる。中心の気圧は９５０ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は４０メートル、最大瞬間風速は５５メートル。台風は今後も北東に進み、２３日夜には北海道の南東海上に達して温帯低気圧に変わる見込み。

　同日の最大瞬間風速は胆振で３０メートル（陸上）、日高地方で３５メートル（同）となり、雨も日胆地方で２３日午前６時から２４日午前６時までの１時間雨量の最大値が２０ミリ、２４時間雨量が６０ミリに達する予想だ。

　苫小牧市では２３日午前２時４１分に暴風警報が発令。２３日午前１０時現在、厚真町、安平町、むかわ町、浦河町など胆振日高地方の各地で暴風警報、浦河町、新ひだか町など日高地方の各地で波浪警報が出された。

　暴風の影響で、市内は道道樽前錦岡線が２２日午後６時から通行止め。２３日午前、市道路管理事務所（糸井）は、市内勇払から弁天にかけての市道東部南通線に越波の影響がないかパトロールに当たっている。

　市消防本部によると、同日正午時点で錦岡、日吉町、青葉町、双葉町の住民から住宅屋根や空き店舗のシャッターが飛びそうといった通報が４件あり、対応に追われた。けが人も発生。弥生町に住む８５歳の女性が玄関ドアを開けたところ、強風にあおられて転倒。右足骨折の疑いで救急搬送された。

　通学にも影響が出た。苫小牧市では２１、２２の両日に学芸会を開き、２３日を振替休日にした小学校１４校を含め全３８の小中学校が休校を決めた。市内八つの高校のうち苫小牧中央高校は全日休校、高等商業、南高は１時間目で授業を切り上げた。南高は臨時の下校バスを運行し、生徒の安全確保に努めた。苫小牧工業高等専門学校は全日休校。幼稚園も休園が相次ぎ、錦岡幼稚園は「悪天候と市内小中学校の臨時休校を受け、休園を決めた」と言う。

　厚真町でも２３日を学芸会の振り替え休日としていた小学校１校を含む全４校の小中学校が休校。安平町、白老町の小中学校は全て通常通り。

　交通機関も乱れた。新千歳空港は２３日午前１１時までに羽田、成田、仙台線など出発と到着の合計で７１便を欠航または欠航予定。苫小牧発着のフェリーは２３、２４の両日で計２０便が欠航を決めた。

　ＪＲや道南バスの運行（苫小牧や近郊関連）に大きな混乱は出ていない。

　このほか、苫小牧市は同日午後６時半から、豊川コミュニティセンターで予定していたまちかどミーティングを中止した。