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ユダヤ人救ったリトアニアの旧日本領事館 苫小牧のニシムラ塗装が修繕奉仕へ

2017/8/7配信

 第2次世界大戦中のリトアニアで、ナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人にビザ(入国査証)を発給し続け、亡命を手助けした外交官杉原千畝(ちうね)氏(1900~86年)。救った難民の命は約6000人とされる杉原氏が勤めた旧日本領事館(リトアニア・カウナス)の塗装ボランティア活動に、苫小牧市新富町の塗装会社・ニシムラ塗装の西村知行社長が参加する。塗装業界の全国奉仕団体のメンバーに加わり、9月に現地で作業に当たる。西村社長は「人道行為の偉業に思いをはせながら魂を込めて歴史的建物を修繕したい」と出発の準備を進めている。

 団体は塗装業界のボランティア組織、一般社団法人塗魂インターナショナル(本部愛知県春日井市、安田啓一会長)。ベトナムの病院など海外の施設の塗装奉仕を手掛けており、今年は9月3日から10日の間、約60人でリトアニアを訪問。老朽化した旧日本領事館の外壁塗装に当たる予定で、活動に賛同した西村社長も作業に加わる。

 杉原氏は岐阜県八百津町に生まれ、1924年に外務省書記生に採用された。リトアニアの日本領事館領事代理だった40年7月、ナチス・ドイツに迫害されて同国へ逃亡してきたユダヤ人難民に対し、日本当局の指示に背いて自らの判断で亡命を手助けするビザを発給、多くの命を救った。戦後、その人道行為は高く評価され、同じく大勢のユダヤ人の命を救ったドイツの実業家オスカー・シンドラー(08~74年)にちなみ、「東洋のシンドラー」と呼ばれている。

 旧日本領事館は杉原氏の偉業をたたえて記念館(スギハラハウス)となり、一般公開されているが、老朽化。取り壊される可能性もあった中、窮状を知った同団体が昨年3月に現地を視察。外壁が崩れ落ちたり、ひび割れたりしている状況を目の当たりにし、塗装奉仕を決断した。外壁塗装は無償で引き受け、屋根修繕は現地の業者が行うことで調整。日本国内での募金活動を通じて現地業者に支払う屋根修繕費用の確保にめども付いた。

 塗装奉仕に加わる西村社長は「今のままではスギハラハウスが危ない。自分の技術を役立てたい」と参加を決めたという。同団体の池田大平事務局長も「偉大な日本人の先輩の功績を後世に残したい」と意気込む。

 同団体の善意に遺族も喜んでいる。杉原氏の孫で、NPO法人杉原千畝命のビザ(東京)の杉原まどか副理事長(50)=東京都在住=は「すべてボランティアで修繕すると聞き、大変驚きました。祖父の功績を残すために立ち上がった方々の善意、情熱に頭が下がります」と感謝する。

 7月29日には、神奈川県鎌倉市にある杉原氏の墓前で、旧日本領事館が修繕されることを報告したといい、「家族でスギハラハウスがリニューアルされる日を心待ちにしています」と話している。

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