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弁天沼など勇払原野湿地群 ラムサール登録へ活動

2017/6/20配信

 日本野鳥の会(本部東京)は今年度、苫小牧東部地域の弁天沼周辺など勇払原野湿地群のラムサール条約登録湿地指定に向けた活動に力を入れる。弁天沼や周辺湿地は、ラムサール登録のウトナイ湖と同様に、野鳥の重要な生息地を形成するなど優れた環境を残している。同会は今後、国や道など関係機関へ指定の働き掛けを強め、2021年のラムサール締結国会議での登録を目指す考えだ。

 同会によると、市内弁天地区にある弁天沼周辺の湿地や湿原は、天然記念物マガンの渡りの重要な中継地で、チュウヒやアカモズなど絶滅が危惧される種も生息。近年は希少鳥類タンチョウも飛来するなど、ウトナイ湖に引けを取らない環境を残している。しかし、鳥獣保護区など環境保全に関する法的な網掛けをされておらず、同会は湿地保全に向けてラムサール条約登録を目指すことにした。

 弁天沼周辺の湿地の他、柏原地区や安平川下流部右岸の湿原などは、希少鳥類の生息や多様な植物相の観点から、「勇払原野湿地群」として環境省の国内重要湿地に位置付けられている。同湿地群にはウトナイ湖に注ぐ美々川も含まれていることから、同会の葉山政治自然保護室長は「勇払原野の生態系は一体的。美々川を含む勇払原野湿地群を基本にラムサール条約登録湿地を目指したい。現在のウトナイ湖の登録湿地範囲を拡大していくというイメージだ」と言う。

 同会は今後、登録湿地の範囲を検討する他、野鳥の生息、飛来調査など登録の科学的根拠を積み重ね、国や道、苫小牧市など関係機関に働き掛けていく考え。ラムサール湿地は、国が国際基準に沿って登録申請し、3年に一度の締結国会議で決定する流れになっており、同会は「来年ドバイで開催される締結国会議には間に合わないが、4年後の21年の会議で登録されるよう活動を進めたい」としている。

 同会が特に重要視する弁天沼や周辺湿地は、道管理河川・安平川治水対策の遊水地(河道内調整地)エリアに含まれている。道は弁天沼周辺を堤防で取り囲み、洪水発生時に河川の水を遊水地(950ヘクタール)にため込む計画を立て、総延長10キロに及ぶ堤防建設の設計に向けた作業に乗り出している。同会は「堤防の内側をラムサール湿地にしたい」と考えているが、遊水地整備の担当者は「(登録を意識した整備などは)まだ何とも言えないところだ」と話す。苫小牧市も「遊水地エリアの土地利用をどうするか。そうした行方も見守らなければならない」と静観の構えだ。

 一方、環境省は、登録の条件として▽国際的に重要な湿地であること▽鳥獣保護区など法律で環境保全が図られること▽地元住民の登録への賛意が得られること―を挙げ、苫小牧での新たな湿地登録について同省北海道地方環境事務所は「特に地元にどれほどの熱意があるかが問われる」と話している。

 ラムサール条約 イラン・ラムサールで1971年に採択された国際条約で、湿地など国際的に重要な自然環境の保全を目的としている。日本は80年に加盟し、現在、国内に50カ所の登録湿地がある。ウトナイ湖(面積510ヘクタール)は91年12月に登録された。

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