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日胆の秋サケ定置網漁終了 近年にない不漁に

2016/12/17配信

 胆振日高の海域で9月から行われていた秋サケ定置網漁が今月15日までに終了し、近年にない不漁の結果となった。日胆の両海区漁業調整委員会によると、今漁期の胆振、日高ともに漁獲量は前年の半分以下。水産研究機関は、来遊するサケの中心となる”4年魚”の減少が不漁につながったと指摘する。

 胆振海区漁業調整委員会によると、管内5漁協(苫小牧、鵡川、いぶり中央、室蘭、いぶり噴火湾)の総漁獲量は3022トン。前年(6141トン)の49・22%にとどまり、2011年以降で最低の数量となった。5漁協の漁獲金額は計20億5900万円で、前年(31億300万円)より33・66%も減少した。一方、水揚げ量の少なさから、1キロ当たり単価は681円となり、前年より176円高くなった。

 漁協別の漁獲量は、3日に漁を終えた苫小牧漁協が674トンで前年比55・87%減となったのをはじめ、鵡川は154トン(66・63%減)、いぶり中央1085トン(54・12%減)、室蘭263トン(34・07%減)、いぶり噴火湾844トン(38・95%減)と落ち込んだ。

 日高も大不漁に見舞われた。日高海区漁業調整委員会によると、管内3漁協(えりも、日高中央、ひだか)の総漁獲量は5366トンで、前年(1万1014トン)の48・7%にとどまった。3漁協の漁獲金額は38億4500万円で、前年(55億1300万円)より30・3%減。1キロ当たり単価は216円高い717円となった。漁協別の漁獲量は、えりも1426トン(75・08%減)、日高中央1878トン(23・68%減)、ひだか2063トン(27・12%減)。

 道さけます・内水面水産試験場(恵庭市)の宮腰靖之さけます資源部長は「遡上(そじょう)するサケの中心となる4年魚(2012年生まれ)の回帰が今年少なかった」とし、これが不漁の原因となったと推測する。稚魚を放流した13年春の海水温の低さによって稚魚が死滅したり、今年秋の太平洋海域の海水温の高さでサケが岸に近づかなかった可能性があるという。

 同試験場は今後、道内の各振興局から漁獲量の詳細なデータを集め、不漁の原因を詳しく調査する。来年の漁では、14年春に放流した稚魚の4年魚が中心となるが、放流時の太平洋海域の水温が低かったため、宮腰部長は「慎重に調査して来年の来遊予測を立てたい」と話す。

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