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「ゴールデンカムイ」作者・野田さん 白老アイヌ民博に色紙

2016/6/29配信

 アイヌ文化をストーリーに取り入れた人気マンガ「ゴールデンカムイ」の作者・野田サトルさんの自筆サイン色紙が、白老町のアイヌ民族博物館内で展示され、来館者の話題を集めている。若者に人気の同作品を館内でも販売しようと、出版する集英社に打診。快諾とともに作者の野田さんから色紙が届いた。野本正博館長は「全国の若い世代にアイヌ文化に興味を持たせるきっかけをつくったという点で貢献度は非常に大きい」と作品を絶賛。同館の話題づくりに加え、来館者に対するアイヌ文化の理解浸透に大きな期待を寄せている。

 ゴールデンカムイは週刊ヤングジャンプで連載中のマンガ。「マンガ大賞2016」の大賞作品に選ばれ、全国的に人気を集めている。

 作品は明治末期の北海道が舞台。隠された金塊を探す日露戦争帰りの元陸軍兵士・杉元佐一と、道中で知り合ったアイヌ民族の少女アシリパの2人が主人公。同じように金塊を探す一味の追跡をかわし、時には戦いながら金塊の在りかを探すというストーリーだ。

 作中にはアイヌ民族の食や狩猟、生活、伝統的な習わしなど幅広い文化が取り上げられており、アイヌ語表記もアイヌ語研究者の中川裕氏が監修している。

 野本館長が出版社側に館内販売を打診したのは連休明けの5月上旬。従来とは違ったアイヌ文化の普及啓発効果に着目したのがきっかけで、「出版社側からすぐに取り扱いを快諾する返事を頂いた」という。合わせて色紙も届き、博物館のミュージアムショップ・イカラカラ内に展示特設コーナーを設けた。

 色紙には登場するキャラクターのアシリパがカラーで描かれ、「白老ポロトコタンさまへ」の添え書きも。売店担当の中村孝子さんによると、中高生を中心に色紙と記念撮影する人がいるといい「書籍を全巻まとめ買いする人もいますね」と言う。

 野本館長は「博物館がアイヌ文化を紹介するのとは違った切り口で面白く、若い人たちがアイヌ文化に親しむという点では最高のメディア」と高く評価する。主人公の少女アシリパが頭に巻く「マタンプシ」(鉢巻き)は、昔の白老地方のアイヌ女性が着用していたものと同じデザインといい、館内スタッフにとっても身近に感じているよう。同じ文様のマタンプシを中村さんが手縫いで制作中。近々展示コーナーに飾る予定だ。

 昨年には作品の愛読者がコスプレ姿で来訪し、館内で写真撮影をしたこともあったといい、「多方面でアイヌ文化に対する興味や関心が集まっているのは大歓迎」と学芸課の八幡巴絵係長。”ゴールデンカムイ効果”による来館者の底上げにも期待が集まりそうだ。
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