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白老・胆振東部・日高

高橋知事 JR日高線被災現場を初視察

2015/7/14配信

 今年1月の高波による線路被害で運行区間の約8割で運休が続くJR日高線の早期復旧に向け、高橋はるみ知事が14日午前、被災後初めて現地視察を行い、新冠町内の被災現場を確認した。視察後、同町役場で沿線自治体の各町長との意見交換にも臨み、「地元、JR双方のできることを調整し、改めてJR側へ早期復旧を働き掛けたい」とし、沿線自治体や関係機関に理解を求めた。

 高橋知事は同日午前10時20分ごろ、小竹国昭新冠町長ら日高管内7町長と共に、JR大狩部駅付近の被災現場を訪れた。現場は、高波の影響で線路脇の土砂が約13メートルにわたって流出。高橋知事はJR北海道工務部の遠藤州弘工事課長から、土砂流出の発生から現在までの経緯を聞き、同社が進める流出拡大防止対策について説明を受けた。被災現場を目の当たりにし「波の力、土壌の脆弱(ぜいじゃく)性がダブルで来ているような場所」と話した。

 視察後、新冠町役場で沿線7自治体の町長や副町長との意見交換に臨んだ。冒頭、高橋知事は運行再開に関する議論について「進んでいるようで進んでいない」とし、各町長に「沿線住民の皆さまにはご迷惑をお掛けしている。早期復旧に向け議論を重ねたい」と述べた。各町長からは、代行輸送バスの乗車が難しい車いす利用者への対応策や、土砂流出による漁業への影響に関する説明などを知事に求めた。

 終了後、高橋知事は報道陣の取材に「(復旧工事の工期が)4年という月日は高校1年生が卒業してしまうほどの時間」と指摘し、「区間を分けた2段階の復旧工事を含めた早期運行再開を引き続きJRに求めたい」と強調した。

 JR日高線は厚賀(日高町)―大狩部(新冠町)間で高波被害を受け、線路脇の土砂が流出。線路全体の8割に当たる鵡川―様似間の116キロ区間で運休が続き、バス代行輸送が行われている。JR北海道は4月下旬、復旧の準備工事に着手。被災した護岸壁下部からの土砂流出を抑える工事などを6月6日までに完了させた。しかし、運行再開には被災箇所を含めた抜本対策が必要とし、概算工事費は約26億円、工期は4年以上と試算するが、財源確保のめどは立っていない。

 日高管内7町でつくる日高町村会(会長・小竹国昭新冠町長)は6月上旬、JR北海道と国土交通省に対し早期復旧を求める緊急要望を行い、沿線住民3万1865筆の署名も提出した。
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