4

24(水)

胆振の
明日の天気

雨後曇り

14 / 8

白老・胆振東部・日高

教師の苦労と情熱を本に 穂別高卒業生が草創期を回顧 CDにも

2014/7/5配信

 「村づくりは教育から」を実践した軌跡が一冊に―。むかわ町の北海道穂別高校の前身となる旧穂別村立・町立高時代の足跡を、卒業生たちが当時の恩師の姿を通して一冊にまとめ、「穂別高校―草創期の教師たち」の書名で刊行した。まちの将来を担う若者たちに学びの機会をつくろうと、困難な環境の中でも地域や学校が一丸となり、情熱を注いだ様子が伝わってくる。編集に携わった卒業生は「地域に学校がある意義や教育の役割を考えるきっかけにしてもらえたら」と語っている。

 同校は、旧穂別村(現・むかわ町)が1951年、「地域の社会経済発展に寄与する人材は自前で育成する」との決意から村立の夜間定時制高校の形で設立。61年に町立、63年には道に移管された。

 出版のきっかけは、63年に卒業した12期生が卒業アルバムがなく、入学50周年を記念して2010年に当時の写真を使ってDVDを制作し、当時の教員にも贈ったこと。制作の中心となった田中弓夫さん(70)=江別市在住=は「お礼の手紙をたくさん頂いた。文面から先生にとっても穂別高校は掛け替えのない場所だったと思った」と興味を持ったという。

 田中さんは同窓生らに声を掛け、2012年、道立高移管前に入学した13期生までの8人で出版発起人会を設立。村立・町立高時代に在職した教員34人全員を取り上げて本にすることを決めた。教員本人に執筆を依頼した他、学校の記念誌や学校新聞、生徒会誌などにも当たり、歴史を掘り起こし、17人は本人が書いた文章で紹介できた。その他の教員は、家族や教え子らが回想。執筆には80人近くから協力を得て、A5判、全260ページ余りの本に結実した。

 「田舎でも都会と同じ教育の機会を」と村主導で教員探しに苦労し、定時制の独立校として開校。当時は教員の多くが新卒者など若手が多く、文章からは「教育の原点だった」と、情熱を注いだ日々が読み取れる。開校当時は村長や住民などの地域の大人も生徒と一緒に授業に参加し、村全体が若者に期待している様子を懐かしむ文章もあった。

 村の財政難から教員の給料が遅配になることがあるほど厳しい環境であっても、生徒たちや同僚教員、まちの人たちと共に困難を楽しみ、活力にあふれた記述も目立った。発起人会で12期生の横山宏史さん(69)=むかわ町穂別在住=は「新しく分かった事実もあり、大切な本になった」と振り返る。同じく発起人会で、6期生の小田桐善晴さん(75)は「穂別高校がなかったら、今の私はない。良い先生たちに出会った」と感謝を口にする。

 同会の3人は2日、穂別高校を訪れ、本に加え、同校校歌と村立高時代の生徒が作曲した生徒歌などを入れたCDを寄贈した。久保田一也校長は「苦労を重ね、学校ができたことがよく分かる」と話して、学校の伝統を引き継ぐために役立てたいとしていた。

 同会は協賛金2000円を収めてくれた人に本を進呈している。問い合わせは同会事務局 電話011(385)8368か電子メールyytanaka@palette.plala.or.jp

週間ランキング

集計期間 04/17〜04/24

お知らせ

受付

苫小牧民報社から