9

17(火)

胆振の
明日の天気

晴れ後一時雨

24 / 16

千歳・恵庭

記者座談会 衆院道5区補選を振り返る

2016/4/26配信

 衆院北海道5区補欠選挙で自民党公認の和田義明氏(44)が無所属の池田真紀氏(43)を下し、初当選を果たした。野党共闘の成立もあり、与野党対決で全国的に注目を集めた新人同士の一騎打ちだった。取材に当たった記者が選挙戦を振り返った。

 A 投票率が2014年12月の前回選挙比で0・8ポイント低い57・63%にとどまった。千歳にあっては4ポイント以上下がり、52・7%。管内8市区町村で最底。2人に1人しか投票していない。

 B 夏の参院選の前哨戦であることに加え、アベノミクスや安保法制の是非、野党共闘に対する評価など話題性はあった。それだけに前回を下回ったのは意外だ。

 C 一般に投票率が下がる補選としては、10年10月の選挙より4・2ポイント高い。低い投票率に変わりはないが。

 D 今後10代も有権者に加わることを考えれば、腰を据えた対策が必要だ。メディアとしてもしっかり関わるべき問題。

 A 得票結果から何が見えるだろう。14年12月の前回選挙との比較でいえば、故町村信孝氏の後援会を受け継いだ和田氏は4448票多い13万5842票。札幌市厚別区、江別市、石狩市などで町村氏の得票を上回り、支持者を拡大した。自民、公明の強固な支持層をしっかり固めた。

 C 経済活性化に関する候補者の主張を比較検討した人が多かったのではないか。元商社マンとして北海道を道外、海外に売り込む仕組みをつくって利益を生み出す―という主張には説得力があった。

 D 和田陣営は、業界団体や地方議員、後援会など組織がフル稼働していた。陣営関係者は危機感を露わにし、町村氏時代以上の支持固めに奔走(ほんそう)していた。「こんなに選挙活動に力を入れたことはない」という関係者もいた。

 B 池田氏は善戦したといっていい。得票数にも現れている。

 E 池田氏の陣営幹部は「市民が中心になってうねりをつくるという、一つの試みとしては成果を見いだせた」と手応えを語っていた。一方で低投票率については、内輪の盛り上がりにとどまったとの見方もできる。政治に関心のない人たちへの浸透について検証が必要と感じていたようだ。

 C 池田氏のスローガン「誰ひとり置いてきぼりにしない社会」は確かに訴えてくるものがあるが、(政策実現のための)手段が見えづらかった。

 A 池田氏は厚別と江別、北広島、石狩の4市区で和田氏よりも多く票を集めた。それでも和田氏が勝ったのは、猛追する池田氏を千歳、恵庭の厚い保守地盤でかわしたから。無党派層の支持拡大を図った池田氏は、低投票率と江別での浸透不足が誤算だった。

 B 投票結果から読み取れることの一つとして、有権者は安定志向で与党を選択したのではないか。野党は共闘を優先したから、政策の細かいところでの合意形成が十分ではなかった。

 D 5区は「国策の地域」。空港、港湾、自衛隊、そして1次産業がある。中央とのパイプを求める有権者は多い。和田氏の経済政策を支持した人も少なくない。

 C 安保法制で言えば、隊員の側から法制の内容の深まりに期待の声がある一方、「戦争法案」との呼称に強い拒否反応が出ていた。選挙期間中に熊本地震が起き、千歳、恵庭を含む道内部隊から4100人規模の災害派遣の動きがあり、選択に動いた層も一定程度あったと思う。

 A 与党は一定の評価を得たとみるだろうし、野党は安保法廃止などを掲げた共闘に活路を見いだしただろう。和田氏は前回選挙の町村票を上回ったが、新党大地が和田氏の支援に回ったことを考えれば支持層を固めた範囲の数字。池田氏も野党共闘で取り込まなければならない分にとどまり、無党派層への広がりは欠いた。その意味で、両陣営ともに民意をつかみ切る運動にはならなかった。

 D 告示前、和田陣営は池田氏よりも数ポイントリードしていると見立てていた。告示後は「横並び」「拮抗(きっこう)」との報道があり、切迫感が増した。重鎮だった故町村氏に対し、知名度の低い新人同士の戦いは関係者に戸惑いを与えたようだ。

 E 千歳では野党共闘の成果が見られた。ポスターなどの掲示物設置にたけた政党の機動力を見せつけた。

 B インターネットでは対立候補への中傷、悪口が目に付いた。根拠が怪しい話ばかり。ある政党の国会議員は「ネットでは悪口ばかり。ひどいもんだ」と嘆いていた。

 B 当選した和田氏には経済施策を期待したい。アベノミクスの恩恵は北海道には浸透していない。外国人観光客の増加で、一部地域で観光や流通が盛り上がっているくらいではないか。人口減少対策と育児環境の充実も進めて、北海道の活力づくりに努めてほしい。

 A 有権者の関心は暮らしに関わる課題がやはり大きなウエートを占める。和田氏は経済や暮らしに関わる課題で積極的に発言、提案し、国政に反映させてほしい。

 E 5区管内には安保法制の強行採決に疑義を持つ有権者が多いことも事実。民意を十分に認識し、一議員として是々非々で臨むよう求める声も強い。

 C 新世代の先陣を切って公約を実現してもらいたい。5区全体として、池田氏の得票分が表す思いを謙虚に視野に入れることも、新しい地域のリーダーの立ち位置をつくっていく上で重要だ。

週間ランキング

集計期間 09/10〜09/17

お知らせ

受付

苫小牧民報社から