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千歳・恵庭

ブルーインパルス操縦士の千歳高出身・立山さん 青春の地・航空祭で演技

2015/7/21配信

 航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、ブルーインパルスのパイロット立山雄一さん(35)は千歳高校卒業生だ。19日、千歳基地航空祭で愛機T4の操縦かんを握った。今年度限りで戦闘機操縦士に転換する。祭典当日はあいにくの曇天。青春の地の上空では最後となる本番フライトは果たせなかったが、イベント後、取材に応じ「出会ったすべての人に感謝します」と語った。

 空に巨大な星形を描く大技「スタークロス」。5機が各方向に上昇し、スモーク(白煙)の直線を5本引く。高度2500メートル近くまで昇った演技中、「スモークを出し終えて背面になると苫小牧、太平洋が見えた。続けて宙返りして地面を見たら石狩湾だった。やっぱり北海道はいいです」。立山さんの声が弾んだ。

 航空祭2日前のリハーサルで「星」は会心の出来栄え。快晴だった先週17日午後の練習飛行を振り返った。

 千歳上空で心を込めて飛んだ。自機位置確認のため、タイミングを計って一瞬ずつ地上を見る。「千歳高校や住んでいた桂木が確認できました」

 ブルーインパルスは、宮城県松島基地の第4航空団に所属する「第11飛行隊」。6機編隊で国家的行事や航空祭などの際、アクロバットを披露する精鋭集団だ。

 T4を使って今年20年の節目を迎え、航空祭展示飛行のため先週から千歳基地入り。1等空尉の立山さんは今年、4番機を操縦している。

 愛知県生まれ。高校2年時に福岡県から千歳に転入し、千歳高に通った。サッカー部のセンターハーフとして部活動に熱中し、親友たちと一緒に青春の記憶を積み上げた。

 「千歳では自衛隊機や空港で離着陸する民航機も多いので空ばかり見上げていて」と笑う。「父も航空自衛官で救難員でした」。親子2代で国を守る職に就いてきた。高校卒業後、曹候補学校で2年間学んで航空学生になり、操縦士記章「ウイングマーク」取得後はF4戦闘機に7年間搭乗。そして、ブルー―のチーム一員に選抜された。

 千歳基地航空祭への凱旋(がいせん)出演は2年前の地上ナレーターから。昨年は飛行を果たした。今年は雲の高さが基準を満たさず、滑走路で離陸手前までの行動の展示にとどまった。「すごく飛びたかったですよ」。語調は熱い。

 4万3000人の大観衆が嘆息―。機を降りてからは1時間を超えて集まったファンにサインや記念撮影に応じて気さくに交流した。「見てくれる人たちを裏切らず、飛行の安全、技の精度を高めて、コミュニケーションを図るのが使命だと思ってやってきました」

 得難い経験は数多い。昨年は姫路城の修理完了を祝してアクロバットを見せ、「サヨナラ国立競技場」では会場上空を航過飛行。飛行隊にとっても初代ブルー―のF86が半世紀前に五輪マークを描いた聖地だ。「搭乗員の顔写真が競技場のスクリーンに大写しになったそうで、高校サッカーで行けなかった場所にある意味行けた、と思った」と屈託ない。

 ブルーインパルス卒業後は、ファイター(戦闘機)パイロットに戻る。「積み重ねた飛行経験を生かし、今度は強くなるための技を究めるのみです。頑張ります」と抱負を話した。
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