8

26(月)

胆振の
明日の天気

晴れ時々曇り

23 / 15

千歳・恵庭

アイヌ文化保存・伝承 体験型で新観光事業―千歳市と協会

2019/8/14配信

 千歳固有のアイヌ文化の保存と伝承を目的に、千歳アイヌ協会や千歳市などの関係者が新たな観光事業を創出する動きを開始した。伝統漁具を使用するマレク漁体験、チプ(丸木舟)の制作体験などを素材とする誘客策や記録動画の製作を盛り込んだ事業展開を目指す。事業を通して千歳アイヌの文化振興を図る狙いがある。

 北海道観光振興機構が実施主体となる「石狩地域コンテンツの旅行商品化促進事業」として展開する。同事業には千歳市、札幌市、北広島市が参加。共同で事業案をまとめて同機構に提出し、採択された。事業は観光資源構築などを行うインサイト(札幌)と日本旅行北海道(同)の2社が同機構から受託して実施する。

 事業は主に千歳市の案が多く盛り込まれた内容で、アジア圏からの訪日外国人旅行者が対象。千歳アイヌ協会と市は1年前から事業化に向けて話し合いを進め、今後は2社も加わって具体的な事業化を進める。

 千歳に関する事業の分野は▽歴史文化資源の開発▽動画製作・配信▽受け入れ環境整備―など。伝統漁具のかぎもり、マレクを使い実際にサケを捕る体験のほか、アイヌが使った丸木舟を観光客が一緒になって制作する体験型観光を実現したい考えだ。

 加えて歴史と文化の後世への保存と継承のため、記録目的を柱とした動画も製作する。伝統舞踊など千歳アイヌの文化を映像化して、市埋蔵文化財センターや蘭越生活館などで公開することを念頭に置く。

 パンフレットや関係施設の館内表示などの多言語化も検討している。
 アイヌ文化を「観光資源」とだけ捉えるのではなく、伝統文化の振興と継承に主眼を置いた事業にしていく方針。観光事業化で一定の収益を上げる仕組みをつくり、活動に継続性を持たせる狙いがある。

 このほど関係者による初めての合同会合が開かれ、受託者であるインサイトの担当者が事業概要を説明。市観光企画課の吉見章太郎係長は「歴史をしっかりと見詰めて伝承するためにお手伝いをしたい」と強調した。出席した千歳アイヌ協会の中村吉雄会長も「北海道の歴史はアイヌ文化なしでは語れない。共存共栄で、みんなで取り組んでいければ」と話していた。

週間ランキング

集計期間 08/19〜08/26

お知らせ

受付

苫小牧民報社から