7

22(月)

胆振の
明日の天気

曇り後一時雨

20 / 17

千歳・恵庭

キウス周堤墓群、史跡範囲拡大 千歳市教委調査で新規発見、9基に

2019/6/22配信

 国の文化審議会(佐藤信会長)は21日、千歳市中央の国指定史跡キウス周堤墓群の史跡指定範囲について、周堤墓群周辺の新たな地域も追加指定するよう、柴山昌彦文部科学相に答申した。千歳市教育委員会が行った試掘調査では、周堤墓群周辺では新たに周堤墓1基が見つかっており、史跡を構成する周堤墓は従来の8基から9基に増える。周堤墓群周辺地域も含めた一体的な保護のための史跡範囲拡大で、正式な追加は秋になる見通し。世界文化遺産候補「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成遺跡の一つとして、一層の価値が認められた形だ。

 キウス周堤墓群は縄文時代後期の集団墓。「周堤墓」は掘った土を周囲にドーナツ状に積み上げて土手を造り、内部に複数の墓を設ける様式で、千歳を中心に恵庭や苫小牧など、石狩低地帯で多く見られる。

 現在、周堤墓群を構成している8基は、最大で外径75メートル、深さは5・4メートルになるなど縄文期最大級。1964、65年に行われた調査では、土器片や土偶片、石器、墓坑、石柱などが見つかった。

 79年に国指定史跡に指定され、範囲は3カ所に分散していた。周堤墓群の間を通る国道337号を挟んだ両側と、北側の民有地内に飛び地として位置する6号墓を含めて、面積は計4万9441平方メートルだった。

 追加指定されるのは、国道337号と6号墓周辺の私有地も含めた5万9331平方メートル。史跡としての指定範囲は合計10万8772平方メートルと大幅に増える。

 追加指定される地域では、千歳市埋蔵文化財センターが2013~17年に、周堤墓群周辺で遺跡の分布を調べる試掘調査を実施。同センターによると飛び地の6号墓に隣接して外径約18・6メートルの新たな周堤墓が見つかった。このほか土器片や土坑墓(どこうぼ)、周堤墓群より古い時期の竪穴式住居跡などが発見された。

 試掘結果を受けて市は今年1月に「一体的な保全を念頭に置いた追加指定」を文化庁に意見具申していた。同庁が道路管理者の道開発局や私有地所有者の同意も得て、追加指定する運びとなった。文化審議会は答申に当たり「北海道特有の墓制。極めて大きな周堤墓が集中した全体的にも規模の大きい周堤墓群で、世界史的にも狩猟採集民が築いた構造物としては最大級」と周堤墓群を評価する。

 今回の追加指定決定について山口幸太郎千歳市長は「価値がさらに高まり、現在取り組んでおります世界文化遺産登録実現に向け、一層弾みがつくものと考えております」とコメント。遺構の保護と活用に取り組むキウス周堤墓群を守り活(い)かす会の大江晃己会長は「周堤墓群の魅力が増した。追加指定された地域も含めて、活用と保全を考えたい」と喜んだ。

週間ランキング

集計期間 07/15〜07/22

お知らせ

受付

苫小牧民報社から