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伝統漁法を千歳川で マレク使いサケ採捕-千歳アイヌ協会

2018/12/7配信

 千歳アイヌ協会(中村吉雄会長)は15日から千歳川上流域で伝統漁具マレク(自在もり)を使ったサケ漁を複数回行う。若い世代への漁法継承を目的とし、来年1月31日までの期間を設け、すでに道の特別採捕許可を受けた。道内河川では、儀式以外に民族的な冬季のサケ漁に許可が出るケースは珍しい。大切な主食の一つで、生活するための糧となったサケを得てきた漁の復活は大きな弾みになる―と関係者は期待している。

 アイヌ民族はサケを「カムイチェプ(神の魚)」と呼んで、食料とする以外にも皮も靴などに加工するなどしてきたが、明治政府がサケ漁を禁止して以降、自由な捕獲ができない状況が続いてきた。

 今回は道が、千歳アイヌ協会を実施主体とする形で道アイヌ協会に許可した。市内水明郷の王子製紙第4発電所ダムから下流700メートル地点までの区間で、50匹を上限にマレクで捕獲できるとする内容だ。サケのふ化増殖事業やインディアン水車での漁業に配慮し、影響のない時期に漁を行う。

 道内の内水面では道内水面漁業調整規則により、研究、ふ化増殖などの場合を除きサケの捕獲は禁止されている。道漁業管理課によると、今回は同規則52条が定める伝統的な儀式や漁法の伝承と保存、知識の普及活動に該当するとして許可した。アイヌ民族に対する特別採捕許可は、帯広市や網走市などでも例がある。

 千歳アイヌ協会は毎年9月に、遡上(そじょう)してきた新しいサケを迎える儀式「アシリチェプノミ」を長沼用水取水口(千歳市蘭越47)近くで行い、丸木舟からマレクを使いサケを捕獲している。この時も、儀式に際して1日だけの特別採捕許可を受けてきた。今回のような1カ月半にわたる長期の許可は初めてのケースとなった。

 伝統のサケ漁ができることが、文化を受け継ぐ活動の後押しになることが期待される。同協会の中村会長は「画期的なこと。儀式とは別に採捕が許可されるのはありがたい」と話し「伝統を継承する上でも大きな一歩だ」と喜ぶ。

 漁では同協会の中高生会員に漁法を伝える。若手会員としてアイヌ文化の継承に積極的に取り組む市内の佐々木翔太さん(24)も「サケはアイヌにとって大切なもの。漁法を復興するチャンスで、自分自身も成長できる」と、道具のもりを手にする日を心待ちにする。

 最初のサケ漁は、今月下旬を予定。来年1月にも数回行うという。漁と捕れたサケの解体は伝統的な作法に基づいて行う。身は乾燥させて、儀式で活用する。

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