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千歳・恵庭

周堤墓群の魅力映像化 2年がかりで制作へ-千歳の市民団体「キウスの会」

2018/11/23配信

 千歳市の市民活動団体、「キウス周堤墓群を守り活(い)かす会」(通称・キウスの会 大江晃己会長)が周堤墓群=中央=の魅力を発信する映像制作に取り組んでいる。周堤墓群は国史跡で国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産候補に名も上る「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道と青森、岩手、秋田各県)を構成する遺跡の一つ。映像化で、その価値を多くの人に発信する考えだ。

 同会は周堤墓群を中心に、千歳の縄文文化の情報発信や学習機会を設ける活動を通した市民周知と文化振興に取り組む。映像制作は市教育委員会との協働事業の一環。2018、19年度の2カ年事業で、完成した映像は同会のホームページに載せ、市埋蔵文化財センターでも活用する予定だ。

 今月から撮影や編集を開始。映像ディレクターとしても番組制作に携わってきた、北海道大学高等教育推進機構の早岡英介特任准教授=科学コミュニケーション=が制作を指導する。基本的なビデオカメラの扱い方や撮影方法などを前もって座学で学んだ後、15日に会員ら10人が実際に周堤墓群で撮影を行った。

 参加者は早岡准教授からアドバイスを受けながら、各人1台ずつカメラを手に、駐車場から周堤墓群に至るまでの道や説明板などを撮影。広角やズームのロングショットを駆使して、印象的な映像になるよう工夫した。2号墓の撮影で早岡准教授は「大きくて深いので、土手を歩くことで起伏が分かります」などと、形状に応じた撮影方法を指導。1号墓も全体像が分かるよう気を配りながら撮影した。

 現在の周辺環境の様子として木々や落ち葉も記録。同じ場所の季節の移ろいを表現するため、これからの撮影時にカメラを置く定点も決めた。「周堤墓群の魅力が伝わるような映像を作れたら」と早岡教授は話した。

 「キウス周堤墓群」は、縄文時代後期(約3200年前)に造られた集団墓。掘り上げた土を周囲にドーナツ状に積み、内部に遺体を埋葬する形式の墓「周堤墓」8基で構成されている。

 千歳を中心とした地域特有の墓制で、縄文時代の大規模工事のありようを現代に伝える貴重な遺跡として評価を受けてきた。

 今年は20年のユネスコ世界遺産の国の候補として「北海道・北東北の縄文遺跡群」が選ばれたが、今月には同じく候補だった「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄両県)の推薦が決まり、会にとっての念願達成は再び将来に持ち越されていた。

 映像制作で同会はこの地で確かにあった縄文文化の価値を発信する活動を強化していく構え。19年度には、会員だけでなく協力してくれる市民も募集して撮影を続け、編集作業を進める考えだ。大江会長は「動画があれば周堤墓群が分かりやすい。映像を通して、理解を深めてもらえたら」と思いを語る。

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