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支笏湖のシンボル・山線鉄橋 土木遺産に認定

2018/10/2配信

 土木工学の専門家でつくる土木学会(本部東京)はこのほど、千歳市支笏湖温泉の千歳川に架かる「山線鉄橋」を、2018年度の同学会選奨土木遺産に認定した。かつて地域住民の生活を支え、現在は観光資源になっている歴史的施設。支笏湖地域の関係者は「鉄橋が貴重であると認められた」と湖と山林を軸にした産業史を伝えるシンボルの認定を喜ぶ。

 同遺産認定制度は00年に始まった。土木に関する構造物の価値のアピールや地域の自然や歴史、文化を伝える地域資源としてのまちづくりへの活用、遺産の保護を目的とし、18年度は山線鉄橋を含む24件が選ばれ、これまでに通算394件を認定した。

 山線鉄橋は英国人技術者ポーナルが設計した、道内に現存する最古の鋼橋。英国製の200フィートピン構造で、斜材をすべて「X字形」に交差させた「ダブルワーレントラス橋」と分類される。

 1899年に北海道官設鉄道上川線「第一空知川橋梁(きょうりょう)」として空知川に架けられ、1923年に王子製紙が払い下げを受けて、現在地に移設。同社が苫小牧市と支笏湖畔を結び、建設資材や製紙用木材を輸送する軽便鉄道「山線」が往来。山線は51年の廃止まで、湖畔住民も利用した。

 山線鉄橋は支笏湖のシンボルとして67年に王子製紙が千歳市に寄贈。修復工事を経て99年に市有形文化財に指定。2007年に経済産業省の近代産業遺産に認定された。

 土木遺産への認定は、市が同学会に推薦した。同学会事務局によると「歴史的に貴重な点のほか、ただ古いだけではなく地元の皆さんに使われてきた。デザインや構造も珍しい」点が評価されたという。市観光事業課の中村充課長は「鉄橋は観光地支笏湖のシンボル。地域の皆さんにも愛されている。歴史や土木に関心を持つ人が支笏湖を訪れるきっかけになってほしい」と期待する。

 山線鉄橋の保全と活用に取り組む、支笏湖ビジターセンターの木下宏所長は「山線の歴史は広く伝わっていない。遺産として認められたことは知ってもらうチャンス」と喜ぶ。今後は同学会北海道支部が作成した「土木遺産カード」で山線鉄橋が紹介され、支笏湖地域で配布される予定。「支笏湖に足を運んでもらう機会になる」と誘客効果を期待する。

 支笏湖小出身で苔の洞門研究会の代表である若松幹男さん(79)=札幌市在住=は小学生当時の山線を覚えている。「速度が遅いため、動く貨車の後ろにしがみつき、ぶら下がることもできました」。戦後は「鉄橋の下は貯木場で(川に)丸太が浮いていて、上を跳んで渡りました。鉄橋から進駐軍の米兵が湖に飛び降りて遊ぶ姿も覚えています」と述懐し、「鉄橋は支笏湖のモニュメント。遺産に認められるのはうれしいです」と話す。

 赤い彩色が風光明媚(めいび)な景色と相まって、観光客の撮影スポットにもなっている。

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