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北海道胆振東部地震

災害に強いまち、本領発揮 千歳市、訓練生かし迅速に対応

2018/9/13配信

 千歳市は7日夜までに停電から復旧し、市民生活も落ち着きを取り戻しつつあるが、市は今なお警戒態勢を敷いている。「災害に強いまち」を目指してきた千歳市が、災害対策訓練の成果を発揮した7日間でもあった。

 6日午前3時8分発生の胆振東部地震で、千歳市は震度6弱を記録すると、すぐさま災害対策本部を設置した。従前から震度5強以上の地震で災害対策本部を設置し、職員が災害応急活動を展開する「第2非常配備」を敷く訓練を重ねてきた。同4時の段階で全職員の約7割に当たる632人が登庁し、本部会議も断続的に開いた。

 大きな揺れと直後に起きた大規模停電で、不安に駆られた市民の一部は、近所の避難所などに自主避難した。市は同5時23分に北陽小、勇舞中で住民の受け入れを始めたのを皮切りに、同7時までに12カ所で33人を受け入れた。道内全域で電力の復旧が見通せない情報が入り、午後4時半には通電していた支笏湖地区を除く、全指定避難所45カ所を開設した。

 市の予想を大きく上回ったのが、観光客の避難者数だった。6日は新千歳空港で全便が欠航し、被害に遭ったターミナルビルも閉鎖し、行き場を失った観光客が市内に流れた。市には韓国大使館や市内ホテルなど、各方面から観光客の受け入れ要請が相次ぎ、「空港のまち」として全てを受け入れることにした。

 災害時対応バスを運行し、観光客の移動をサポート。観光客用の避難所を市防災学習交流センター「そなえーる」、千歳公民館に設け、英語や韓国語などに対応できる市職員らを配置した。食料の不足が懸念されたため、自衛隊の災害派遣を要請したが、これも「自衛隊のまち」ならではの迅速さ。7日朝から陸自の第7師団、第1特科団、空自千歳基地の炊き出しが始まった。

 避難者は6日午後10時の1758人がピークで、半数近くが観光客だった。避難者は通電地域の拡大と共に減り、10日午前10時半には避難所11カ所で15人となり、同正午に避難所を終了した。一部の市民からは市職員の対応や態度などに対し、苦情や不満の声も聞かれたが、避難所運営などはおおむね好評で、大きな混乱を生むこともなかった。

 一方、スマートフォンなどの充電対応、あいまいな情報の拡散には課題を残した。充電を希望する市民への対応は完全に後手で、非常用電源で運営している市役所や避難所に、充電を希望する市民が集まり、なし崩し的に利用を許可したり、充電コーナーを設けたりした。市内は断水しなかったが、「断水になる」というデマがインターネット交流サイト(SNS)で拡散。広報車や防災無線などで正しい情報を伝えたが、SNSの情報発信力に手を焼いた。

 また、市内では建物の倒壊や火災など深刻な被害が見られなかったことも幸いした。市総務部の塩屋十三参事監は「人命救助を必要とするような災害であれば、ここまでの対応は恐らくできない。これだけ多くの観光客避難も予想以上」と指摘しつつ、「毎年行っている訓練の成果を出せている」と強調する。

 市は2002年度から毎年、直下型地震を想定した訓練を行っており、今回の地震後の対応なども改めて検証し、今後の教訓にする考え。市は13日現在も災害対策本部を継続し、職員が各事態に即応できる「第1非常配備」を敷いており、災害対応に万全を期している。

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