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つながる~地域の居場所づくり

子ども総合支援ネットワーク代表理事・畠山俊彦さん(43)

2018/1/11配信

 黙々と作業しながらも時折笑顔を見せ、カラフルなろうの塊を次々と完成させていた。

 昨年12月中旬の平日の昼下がり。苫小牧市糸井の体験農園「こども村」内の小屋で、女子高生らが数日後に宮の森総合福祉会館(糸井)で開かれる町内会のクリスマスイベントに出品するキャンドル作りに一心不乱だった。

 沸騰したお湯で溶かし、クレヨンで着色したろうを1立方センチの型取り器を使って青やオレンジ、ピンク色など鮮やかなサイコロ型に加工。いくつか紙コップに投入して溶かした透明なろうを流し込み、綿糸の芯を付けて固めたら完成だ。

 イベント当日、「カラフルなろうそく」として販売すると「かわいい」などと大好評。女子高生らもきれいに並べるなど売り場をサポートし、地域住民との和やかなひとときを楽しんだ。

◇   ◇

 札幌市出身。約7年前、勤めていた不動産会社の転勤で苫小牧市に移住した。間もなく結婚して子供にも恵まれ、幸せな生活を送っていたが昨年、退職。農業体験を取り入れたフリースクール設立を準備している。発達障害などで人間関係をうまく築けない子供たちの居場所づくりに奔走する日々だ。

 きっかけは5年ほど前、発達障害を抱える親戚の子供が中学校でいじめに遭い、「学校に行きたくない」と苦しんでいるのを知ったこと。何か自分にできることはないか。自問し続ける中で、子供が学校以外で活動できる場所が必要と痛感。苦しんでいるのはこの子だけではない―。同じような境遇の子供たちを元気にするため、一念発起した。

◇   ◇

 昨年5月、知人から土地を借り、こども村を設立。現在は女子高校生と男子中学生の2人が登録する。夏場は子供たちとダイコンやトマト、ジャガイモなど10種類以上の野菜を約990平方メートルの畑で栽培している。以前から子供たちの野菜嫌いが気になっており、自ら苦労して育てることで食材への理解を深め、本来のおいしさ、ありがたさを知ってほしいと願う。

 1年を通じて森の中で宝探しゲームや探検をしたり、地域のイベントに参加するなど活動は多彩。自然と触れ合いながら伸び伸びと活動し、自分らしく成長できるような支援をしていく。「さまざまな体験を通じて心が癒やされ、少しずつでも前を向いて歩いてくれれば」

 設立当初は畠山代表1人で活動していたが、趣旨に賛同する仲間が集まり、スタッフは15人に。「子供たちはまだ教室には戻れないものの学校へ足が向くようになったり、通信制の高校へ復帰する意向を示すなど変化が見え始めている」。18年の畑作りに向け、2月ごろから種苗の準備を本格化し、雪解けを待って4月以降、着手する。フリースクールは約3年後の立ち上げを目指す。

 さまざまな理由で学校に行けない子供たちが全国的に増えている。市内の不登校児童・生徒は16年度時点で、約260人。発達障害を抱える子供は周囲の理解を得られず苦しんでいる。「他の子供と物事の捉え方が違うので、理不尽さを感じ不登校などに陥りやすい。何もできないわけではなく、足りない部分を自覚すれば、補う方法はある」。まず子供たちにそれを自覚してほしいし、取り巻く人たちも特性をよく理解して接することが大切だと地域社会で伝えていきたいと思っている。「生きづらさを抱えた子供たちに居場所を提供。学校生活に戻るに当たり、少しでも不安を取り除くことができれば」

(おわり)

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