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挑む経済人-2019企業トップに聞く(千歳・恵庭)

(4)高品質な小麦をブランド化 道央農業協同組合・松尾道義代表理事組合長

2019/1/11配信

 ▽昨年を振り返って

 予想を超える気象変動は、「農業者の経験では対応できなくなっている」と強く感じた一年だった。日本中が大冷害だった平成5(1993)年にも似た状況に思えた。

 台風が沖縄から北海道を縦断し、大雨と強風が各地に大きな被害をもたらした。北海道で低温と長雨、府県では高温と干ばつが続いた。

 9月の台風21号と胆振東部地震による道央農協管内4市(千歳、恵庭、北広島、江別)の被害は台風が9億4000万円、地震は1億2000万円で総額10億6000万円に上った。

 ▽天候不順と地震

 石狩地方の天候は、5月が曇天、長雨でストーブを使いたくなるほどの低温。大事な6月も低温、多雨。7月に生育の遅れは取り戻せず、8月には雨が降らなかったのは5日間だけ。9月は台風21号と胆振東部地震、ブラックアウト(大規模停電)の打撃を受けた。作物は全般的に収量減。今期の取扱量は前年比3割減となる見通しだ。

 ▽想定外の被害

 ブラックアウトの長期化は想定外だった。搾乳用の自家発電機を購入する組合員も増えた。農協でも予冷庫が止まった。購入はコスト負担が大きいことからリース業者と契約を結び緊急時に備える。

 地震で全道の輸送トラックがストップした。東北地方の取引先にトラックを手配してもらい、被害を最小限に抑えることができた。

 ▽ブランド形成へ

 昨春は雪解けが早く、前半は農作業が進んだ。3月に種まきした小麦の生育も順調で、敷島製パン(本社名古屋市)との共同プロジェクトのスタート年とあって「地産地消と地域活性化」の期待も大きく膨らんだ。初年は天候不順で登熟期の低温が影響して収量を落としたが、「使いやすい小麦」と評価を頂いた。「ゆめちから」と「春よ恋」はうちの主力。

 うちの強みは、管内4市で収穫した小麦を、恵庭の広域小麦乾燥調整貯蔵施設に集めて均質化に努めていること。高品質を堅持しブランドの確立に努めたい。

 ▽揺るがない体制づくり

 TPP11(環太平洋連携協定)に続き、2月には欧州連合とのEPA(経済連携協定)が発効する。細則が多過ぎて全体が見えない。すべてを公言できないとするのが外交問題に関する国の見解だ。国は開放を唱えており「主力産業を守るためには、少々の犠牲はやむを得ない」―という国の施策の方が怖い。米中間の貿易戦争のあおりも懸念している。各国の交渉に振り回されない、盤石な生産と販売体系を確立したい。中堅農家には、セオリーが壊れたときの対応として昨年の経験を今後の営農に生かしてほしい。

 1964年野幌高校卒業。87年4月に恵庭市農協理事、同専務理事、道央農協専務理事を経て2008年4月から代表理事組合長。現在、北海道農業協同組合中央会理事。73歳。

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