9

17(火)

胆振の
明日の天気

晴れ後一時雨

24 / 16

土地と人と-地域創造への挑戦

(2)「自分の居場所がある、ということ」

2019/7/12配信

 札幌市から白老町に10年以上通っている私は、今注目されている「関係人口」と言えるだろう。今ではこの土地に多くの知り合いがいて、好きな場所もたくさんある。尊敬する先輩たち、語り合える仲間たちもたくさんいる。

 総務省によると、『「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です』とある。さらに続けて『地方圏は人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています』とある。

 私は仲間たちと白老町飛生(とびう)地区の飛生アートコミュニティーで「森づくり」や「芸術祭」を約10年続けている。森の作業や複数の企画立案、交渉や宣伝活動、当日の運営に至るほとんどの工程を有志たちで協働しており、そのメンバーの半数以上は地域外の人たちである。

 この10年で私たちはどれだけこの町に訪れ、どれほど多くの出会いや学び、喜び、出来事を享受してきただろう。関係人口である前に肝心なことは、その町に自分の居場所があり、それが誇りであることではないかと思う。

 そこに行けば居心地の良い場所がある、自分を迎えてくれる人たちがいる、共に汗をかき笑い合える人たちがいる。幾つになっても友達はできるし、世代を超えて友と呼べる人が生まれていくと、私は希望を持っている。

 人と人のコミュニケーションや地域内コミュニティーが希薄になっているとは言え、私がこの町で関わっている文化活動は出会いと創造性にあふれているし、住民の誰しもがその「当事者」になり得る入り口を開いていたいと思っている。

 日々の営みのどこかに心地の良い居場所があり、当事者として関わる活動があり、価値観や背景を超えて認め合い共感できる友人や尊敬できる人が居ること。町にそうした環境を創出していくこともまた文化芸術が一躍を担える役割であろうと思う。

 (文化芸術事業プロデューサー・木野哲也)

 ※「土地と人と」は毎月第2・第4金曜日に掲載します。

週間ランキング

集計期間 09/10〜09/17

お知らせ

受付

苫小牧民報社から