4

24(水)

胆振の
明日の天気

雨後曇り

14 / 8

地域から問う-2019統一地方選

(3)港湾 求められる次世代型

2019/3/27配信

 北日本最大の物流港湾、苫小牧港。2018年の取り扱い貨物量は1億744万トンに上り、03~08年に次いで6年連続の1億トン超を記録した。中でも内貿貨物は01年から18年連続の全国一で、道内全体の5割以上の貨物が同港を経て海上輸送されている。船舶の入出港状況を見ると、定期船はRORO船(フェリー型貨物船)が12航路・週44便、旅客フェリーは7航路・週60便など週に100便を超える船が往来。貨物の取り扱い量は堅調に増加している。

 一方で貨物の大半を扱う西港では、混雑の解消が課題だ。定期運航する旅客フェリーは一つの岸壁に対し、週平均15便の過密ダイヤとなっている。人手不足でトラックドライバーの確保が難しくなる中、主力のRORO船は近年、船舶の大型化で積載能力が拡大し、荷役効率の改善も急務。狭あい化を背景に沖合で待機する貨物船も少なくなく、船会社などから改善要望が上がる。

 苫小牧港管理組合は、こうした課題への対応と次世代型の港湾機能構築に向け、20~30年後の方向性を示す長期構想を策定中だ。柱は生産性向上を狙ったターミナル整備や物流機能の強靱(きょうじん)化など6項目。一般的な長期構想に比べ、具体性や現実性が高いとして全国の港湾関係者の間で話題になっている。

□    □

 同構想には新たな視点が数多く盛り込まれているが、中でも東港で建設が進む大型冷凍冷蔵倉庫を中心とした食の物流機能強化は来夏にも実現するとあって注目度が高い。

 高度な温度管理で品質や鮮度を長期的に保持。生産量、生産時期の影響を受けやすかった道産農産物を通年で安定供給できるほか、アンバランスだった物流の平準化が可能になる。国際コンテナターミナル近接地という利便性の高さから、ゆくゆくは同倉庫を活用した食品関連企業が集積する「フードコンプレックス」の形成も期待できるとして、多くの港湾関係者が熱視線を注ぐ。

 大型倉庫は来夏に完成予定だが、「現時点でどんな方向に進むか未知数。早期の情報収集でインフラ対応を考える必要がある」と同組合幹部。周辺の産業用地の分譲価格も「新規参入する企業にとってはハードルが高い」と指摘する声があり、国や道などを交えた見直しの検討も必要だ。

 全国的に人手不足が加速する中、鍵となるのはいかに効率的な物流体制を構築するか。官民連携の下でスピード感を持った対応が求められている。

(坂本隆浩)

週間ランキング

集計期間 04/17〜04/24

お知らせ

受付

苫小牧民報社から