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(2)児童虐待問題 家族支援の在り方課題

2019/3/26配信

 子どもの心身に大きなダメージを与える児童虐待。苫小牧市でも被害が後を絶たず、こども支援課が1年間に対応する虐待の被害児童数は近年、200人~300人で推移している。未就学児が実母からのネグレクト(養育怠慢)被害に遭うケースが目立ち、最近では心理的虐待も増えている。

 胆振、日高の4市14町を管轄する室蘭児童相談所も2017年度、597件の通告を受け、このうち442件を虐待と認定。通告、受理件数共に過去最多を更新した。面前DV(ドメスティックバイオレンス)による心理的虐待の被害が多く、442件中半数以上が苫小牧の事案だった。

 児童虐待問題が深刻さを増す中、児相と自治体との連携の重要性が増している。市はこれまで、室蘭児相と連携して虐待対応に当たってきたが、室蘭にある同児相から苫小牧市内中心部までは約60キロ離れており、通告を受けた担当者が苫小牧に到着するまで数時間を要することが大きな課題となっていた。

 そんな中、高橋はるみ道知事は昨年11月、定例道議会の本会議で室蘭児相の分室を苫小牧に設置する方針を表明。開設時期は未定だが、旧道立苫小牧病院の院内保育園として使っていた空き施設を活用する方向性で協議が進み、市は新年度、施設の改修と増築に向けた実施設計に着手する。

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 児童虐待の防止策を促すため、政府は閣議で親による子どもへの体罰禁止を明記した児童福祉法や児童虐待防止法などの改正案を決定。改正案では児相の体制強化や機能分化も盛り込まれた。児相に寄せられた全通告内容を警察と共有する自治体も出るなど、子どもの命を守るための取り組みが加速している。

 一方、こども支援課は「最悪の事態を避けるための新たな枠組みは重要」とした上で「養育力が弱い親を罰し、強く指導することだけに比重が置かれる風潮にならないか」と心配する。市はこれまで、虐待をした親に暴力や暴言に頼らないしつけ法を伝える講座や、養育環境が不適切な家庭にヘルパーを派遣して掃除や育児を支援する養育支援訪問事業などを展開。地道な事業ながら、養育環境が改善して親子関係も良好になった事例もある。

 養育に何らかの問題を抱えている家庭を地域全体で見守り、支え、少しでも事態が好転するような地道な取り組みも不可欠。児相の権限強化と同時に、家庭支援の在り方も検討されなければならない。

(姉歯百合子)

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