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売り込め苫小牧港-ポートセールスinタイ

(上)期待高まる経済交流 タイで人気集める道産品

2018/12/4配信

 新千歳空港から成田空港を経由し、タイのスワンナプーム国際空港に到着するまで実に8時間かかった。タイと苫小牧の港を結ぶ海上物流の構築を模索するため、11月19~22日の日程で現地を訪ねた苫小牧港利用促進協議会(会長・岩倉博文苫小牧市長)に同行した。

 11月ながら気温は30度を超え、空港周辺にヤシの木が生い茂る。首都バンコク市を中心に1700社以上の日系企業が進出しており、街は高層ビルや住宅の建設ラッシュが続き、現地で生産された日本メーカーの車が道路を埋め尽くす。経済成長を続けるタイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)へ熱い視線を送る道は、「道産食品輸出1000億円プロジェクト」を推進。2017年で674億円だった輸出額を、25年に1500億円に引き上げる目標を掲げ、人口減で縮小が懸念される本道経済の活路を海外に見いだそうとしている。その一環で道は、道産品PRのアンテナショップ「北海道どさんこプラザ・バンコク店」を同月9日にオープンさせた。

 「日本で買うより2割も高いが、道産品の売れ行きは良い。このペースで行けば年間売上目標の1億円を達成できそうだ」と、同店の上田翼店長は興奮気味に話す。大型複合商業施設にある百貨店「サイアム高島屋」の一角に店を構え、120平方メートルの店内に道内の農水産物の加工品や乳製品、菓子、実演販売のかまぼこ、化粧品など常時200~300点が並ぶ。売れ行きを分析しながら500点まで品数を増やす方針だ。

 1日平均200人が来店し、北海道に憧れていたり、実際に観光で本道に訪れたことがある市民らが買い物に来るケースが多いという。北海道からタイへの商品輸送は飛行機と船の両方を使い、輸送コストが掛かるため、どうしても小売価格が割高になる。「より安く売るために、運賃の安い海上輸送の活用を広げたい」と上田店長は言う。

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 所得向上に伴い富裕層と中間層が増えたタイから、日本を訪れる観光客は急増している。12年に26万人だった訪日客は、17年には3・8倍の98万人に。このうち北海道には16万人が足を運んでいる。熱帯性気候で一年中暑い地域だけに「四季がはっきりしている北海道は特に人気が高く、パウダースノーに憧れるタイ人が多い」と現地ガイドが教えてくれた。

 経済成長と北海道ブランドの浸透が進むタイに、港湾関係団体や企業などでつくる苫小牧港利用促進協議会も注目する。20日にバンコク市内で開いた苫小牧港セミナーには、タイの海運会社や物流会社、商社などから約90人が来場。北海道の物流拠点・苫小牧港をアピールし、同協議会のメンバー30人と現地の関係者らが情報交換を行った。

 総合商社の丸紅タイランドで食品を扱う田畑壮太郎さんは「北海道からはホタテ、長イモ、米などが輸入されている。地元住民にも人気だが、日系企業で働く日本人向けの需要は高い」と説明する。北洋銀行からバンコク銀行に出向している坂井格介さんは、道内企業のタイ進出を支援する業務に携わっている。すし店やラーメン店、居酒屋など北海道から進出した飲食店が人気を集めていると言い、道産食材の輸入ニーズも確実に高まっている状況にある。

 船会社コスコシッピングラインズタイランド社の営業担当サコンラックさんは、日本との貿易に東京や大阪の港を利用しているが、苫小牧港を使ったことはないという。「北海道は有名な観光地として知っている。タラバガニなどの海産物を冷凍で仕入れたり、薬品や化粧品といった日用品を輸入すれば売れると思う」と、北海道とのビジネスの創出に期待を寄せた。



 苫小牧港利用促進協議会のタイ訪問。現地取材を通じて経済交流や海上物流発展の可能性を探った。2回掲載。

(報道部・伊藤真史)

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